オム

ヤクザと家族 The Familyのオムのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

非常に重たい話。
誰も幸せにならない。本当に誰も。
唯一の救いは綾野剛側目線で見た時にムカつく輩に一矢報えたことくらいか…
ヤクザを反社って言って縛り上げてもグレーゾーンが幅を利かせて、うまく利権に取り入るヤクザは生き残って、こんな理不尽なことある?オヤジの義理や人情は金に負けた、とか、アニキの義理や人情じゃ食っていけないって言葉がつらい。武士は食わねど高楊枝と言うけれど、それはもう現代では通用しないってこと…?義理や人情が生きる世の中であってほしい。
とは言え、散々好き勝手やった輩が普通に生きたいって言うのは無理というのもわかる。でも、生まれからして、その環境に身を置くことになっていた人に、ふつうのとこまで来れるといいね、なんて言う権利私たちにある?エンドロールで流れるfamiliarの歌詞にある通り、この世の仕組みが全部狂っているのかも。
やるせない。辛さだけが残る映画…。

ずるいんだよなぁ、綾野剛はずるいんですよ。どんな役でビジュアルがボロボロでも、その演技に引き込まれて振り回されてしまうんですよ…。今回は10代から40代まで演じているんだけれどビジュアルはそこまで手を入れていなくて、でも佇まいでその年代に納得させられる。(出だしの10代はふとした瞬間めちゃくちゃかっこいい、走って逃げるところ、足速すぎて笑う)
舘ひろしや北村有起哉、市原隼人、小野真知子と脇を固める人たちの演技にもボーッと見入ってしまう。豊原功補のむかつく演技ときたら!!!(褒めてます)本当、固唾を飲んで見守った。演技の競演だけで一見の価値あり!!!
オム

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