変わりゆく時代にヤクザとして生きることを選んだ男の人生を観る。山本を主軸にドラマは展開されるが、山本を取り巻く全ての登場人物で作品として成立するであろうそれぞれの葛藤や生き様が描かれている。
物語のはしりから、社会から排除されるヤクザとそこに関わるものに修羅の道が続き、行く末に辿り着いた刹那の凄惨な光景を想像してしまう。しかし、ラストに悔いなく生を全うした山本の姿に救いと光芒が差しているように感じる。
鑑賞後の舞台挨拶で綾野剛の一挙一動に本作へ役への思い入れが強く伝わった。多くの人へ自身の思いが伝わるようにと言葉を選びながら、謙虚さの中に凛とした強い意志や信念を感じて惹かれるものがある。素直にカッコいい方だなと。
鑑賞後にエンドロールに流れるmillennium paradeの「FAMILIA」を聴きながら、胸に込み上げる感情を反芻する。本作には映画を超えた今生きてる自分の生活や社会に属するゆえの人とのつながりまで影響する力が込められていると感じながら...
「FAMILIA」のPVでは、本作のテーマである継承を映画の延長として観ることができ、作品に浸ることができるのでおすすめです。
