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ヤクザと家族 The Familyのこーたのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.2
ひとりのおとこが辿る、盛者必衰の物語。ヤクザとして生き、どれだけ周りが変わっても義理人情の心は染み付いていた。
ヤクザといえど、誇りを持って生きる男はいつの時代もかっこいい。令和のこの時代においては眩しさすら感じる。他人のために命を張れるのは本当の家族以上の絆があるのかもしれない。主人公の人生は酷く虚しいものに見えたが、信念を持って人と繋がり、父親として命を紡ぎ、一瞬でも愛する人や娘と過ごせたことによってその人生にも意味が、彩りが生まれたことは間違いない。きっと娘にとっても大きな意味があったのだと思えるラストだった。
本作では5年ルールに対する問題提起も感じられた。社会復帰がまともに出来なくては犯罪者になるしかないのは目に見えている。制裁が抑止力になるのは核と一緒で問題を解決しない。世間的に風当たりが強いのは仕方がないが、そもそもルールが見離したら打席にも立てない。お前はエラーをしたのだから一生試合に出さないと言われたら、やめてやるってなるのもまた仕方がない。腫れ物だってケアすれば治るのだから、社会として考えるべき問題でもあるんだろうな。
綾野剛はハマり役すぎましたね。舘ひろしもドスのきいた低い声かっこよすぎた。
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