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ヤクザと家族 The Familyのmgmnのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.0
【綾野剛の出演作を観返そう週間】4作品目
再鑑賞。
この作品大好きです。


1999年、2005年、2019年と3つの時代に分けて、ヤクザとそれに関わる外の世界を描いている。
興隆と没落。
様々な家族の姿。

眼に光がなくとにかく自暴自棄に悪さばかりして生きていた山本が、血縁盃を交わした後の覚悟を決めたあの眼に痺れる。
演技であんなのできるんか………(頭抱)
治安悪い系映画でたまにある、冒頭で主要キャストの名前が縦書きで流れてきて最後に映画タイトルがババン!と出てくる演出、あれ好きなんだよね。


時代が進むにつれて衰退していくヤクザの様子には、思わず同情してしまいそうになる。
終始寂しそうな、切なそうな悲哀溢れる山本の表情が忘れられない。

「普通の人間になりたかった。
普通の生活をしたかった。
真面目に働いて、真っ当な人間になって、少し退屈でもいいから、休みの日は一緒に遊んだり、そんな生活がしたかった。」

最期に海の中へ沈んでいきながら、それでも見える光に手を伸ばし続けていたのがすべてを物語っている。
こんなに哀しい″人の一生″を見せられて、残された家族たちのことを考えるだけで胸が苦しい。
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