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ヤクザと家族 The FamilyのVisorRobotのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.9
家で、ネトフリで見た。『カラオケ行こ!』で綾野剛にはまった嫁はんの綾野剛ウィーク第一夜に参加したのだ。はじめての藤木道人の映画だった。やっぱり『新聞記者』のイメージ、なんか活動家っぽい人なんでしょーというイメージだったが、映画を見て微調整するとともに代替作風もわかった気がする。(まあほかの作品見ないでいうのは大外れの可能性もなきにしもだが)

撮影や演出に確固たるイメージがあるのだろう。絵作りはこれぞ日本映画なのに、活力的でかつダサくない。賢治が19歳の時の商店街の激走を横からとらえたショットだとか、港湾でボコボコに殴られた賢治の顔とか
よかった。中盤と終盤、音楽(or賢治の電話)を背景にモンタージュで状況を説明するのもうまい。

終始漫画的だなと思った。

一方、とにかく思い込みが激しく中立的でない印象を抱かされるのも確かだ。「知ってますか? 5年ルール」とか「ヤクザは人間として扱われないんですよ!」とか「普通の人間になりたかった……」とか、セリフでそのまま説明されるとプロパガンダ味が強すぎて反射的にウッとなってしまう。

まあでも、それが大衆性で、だからこそFilmarksや映画ドットコムの星は高いのだろう。

3幕構成でラストには冒頭に戻るなど、物語構造自体はきれいで、むしろ細かなニュアンスの届かない海外などで受けそうだなーと思ったのだが、特に反応もなかったのかな。
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