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ブリキの太鼓 ディレクターズカット版のkazunのレビュー・感想・評価

4.2
大人達の醜い世界に嫌気がさしたオスカルは3歳の誕生日に自らの成長を止める。同時にプレゼントのブリキの太鼓を叩いて奇声を発するとガラスを割ることができる超能力を得る。

これは…
カオスですね。

印象的なシーン
・祖父と祖母の出会い 4枚のスカート
・アグネスの胎内での思考
・産まれた時から赤ちゃんじゃない
・3歳でわざと階段から落ちる
・太鼓を叩いて奇声を発する
・カエルを生きたまま煮込むスープ
・玩具店のマルクスの片思い
・ヤンとの密会
・ナチスの台頭 集会でのワルツ
・馬?牛?の生首を使ったウナギ漁
・教会でのオスカルの奇行
・アグネスの錯乱
・マリアとのあれこれ 粉末ジュース
・ヤンの手持ちカード
・いつの間にかサーカス団に
・弟?への太鼓プレゼント
・マツェラートの党章
・西へ 祖母は見送る

オスカルは大人の世界に嫌気がさして成長を止めるのですが、そこまで嫌気がさすものなのか不思議でした。確かにヤンとマツェラートとアグネスの関係は普通ではないけれど、充分愛されているんですよ。

オスカルがヤンの子供らしい事を皆薄々感じてるけど、仲良く暮らしているし、問題ないのでは?と思いました。
でも近親婚になるのでオスカルのような子供が産まれたのかな?とも思いました。アグネスが事ある毎に地下室のドアのことでマツェラートを責めるのが少しかわいそうな気もしました。

オスカルが太鼓に執着して、奇声を発するのが奇妙でした。そして、自分の行動によって愛する人達を危険な目にあわせていくのがやりきれない感じでした。
悪魔かと思いました。
赤ちゃんの時から考える力があるならもう少し思慮深くなればいいのに。

おばあちゃんには同情します。
列車を見送る表情。

特筆すべきはオスカル役の子供の演技が神がかっているんですよ。
この時11歳か12歳らしいのですが、あの冷めた視線と太鼓を叩いて叫ぶ演技、そしてマリアとの濡れ場シーン…。

児童ポルノではとの疑いで結構大変だったみたいです。

長さが気にならないくらい、全体的に見ごたえがありました。面白かったです。
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