horahuki

ナイブス・オブ・ジ・アベンジャーのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.8
㊗️マリオバーヴァBlu-rayBOX発売!!!

今日ついに念願だったBOXが発売なので、早速収録作を!!1期も2期も、メジャーどころの中にマイナー作品も選出してくれてるのは本当ありがたい👍1期の中では本作だけ見たことなかったので嬉しい!

本作はリチャードフライシャー『バイキング』のヒットの波に乗って作られたバイキングもの。ブーム後期に作られたために興行的にはコケたのだけど、バーヴァが変名であるジョンホールド名義で撮ったからダメージなしだったらしい🤣ちなみに変名にした理由は色んな説があるようで、もともとレオポルドサバナ監督によって作られる予定だった本作を自分だけの手柄にしたくないみたいな説がバーヴァらしいなって思った。

このあたりをBlu-ray付属ブックレットで詳しい記述があるかなって期待してたけど、曖昧にして逃げてたのは残念。サバナ監督の本作への関わり方も、前に読んだ書籍の記述と微妙にズレがあるような?私の翻訳ミスの可能性の方が高いけど!😂あと、キャラの名前を主人公とライバル逆に書いてたのは笑った🤣

本作の見どころは、バーヴァ作品の中では珍しい複雑なドラマで、バイキングの国家間争いみたいなのを背景にした作品。残虐な戦士ハーゲン率いる部隊が同盟国を敵国と勘違いして大虐殺。生き残ったその国の長ハートルが部隊を編成して復讐するために攻めて来て、こちらの国も壊滅状態…。国はバラバラ。食糧を求めて旅立った王ハラールは3年帰らず、妻と子が王の座を狙うハーゲンから逃亡生活を強いられるも、ついにハーゲン隊に見つかってしまう。そこに助けに現れたのは、国をメチャクチャにした張本人ハートルだった。

ハートルは戦の時に鉄の仮面を被ってたから、妻も子も助けてくれた目の前の男がハートルだとは気づかず、一緒に生活をして家族のようになっていくが…って感じのお話。ハートルは自身の過去の行いを悔いていて、夫が帰ってこないならば自分が守らなければ…っていう使命感と、ハーゲンによって虐殺された妻子の影を2人に見出していき、思い悩むのが見てて辛い…。というかキャラクター「ハ」ばっかりでややこしいな!!

円運動からの引きでの全容。そして更にもう一段階の引き。設定的深化とカメラ・構図を同調させて、観客を無理なくファンタジー世界に引き込むのはいつものバーヴァな手堅さ。こんなんワクワクせん人おるん?しかもそこから観客にストーリーの大枠を予想させた上での撹乱と、別ベクトルからグイグイと急カーブさせていく豪腕な展開ながらも、物凄く真っ当で見応えのある切ないドラマに仕立て上げる。即席で作った作品らしいのだけど、本当すごい!!

過去とどう向き合うか。主人公ハートルとその他2人では明確な差があり、それが本作の根幹となる。ただし、正しくあろうとした者にわかりやすい幸福が訪れるような物語ではなく、自己の欲望や怒りといった感情を押さえ込み高潔でいることを貫き通す主人公のラストショットの余韻が凄かった。そしてどことなく感じる『暴れん坊将軍』感よ🤣いつあのテーマソング流れてくるんかな?って期待しちゃった😂
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