イタリアン・ホラーの父マリオ・バーヴァ監督によるコメディ。
その夜、何が起きたのか——?
イタリアのある公園で偶然出会った男女。意気投合したふたりはその日の夜、デートでナイトクラブへと出掛け、その後は男性の住むマンションへ—— 。
その夜、男女に起きた出来事を男性の目線、女性の目線、マンションの守衛の目線(単なる覗き)、そして真実(これも眉唾)と4つの視点で描く。
ロールシャッハ・テストの映像やアニメーション、そして軽快な音楽で幕開け。センスは抜群に良い。
同じ出来事の筈なのに、語り手が違えばこうも違う。
彼は悪魔の様に女性に迫るただのヤリたいマンなのか、女性に圧倒されるトゥーシャイシャイボーイなのか、まさかのBL展開に彼女は蚊帳の外の同性愛者なのか…。
果たして真実とは—— ?
男性のマンションのデザインよ。部屋の真ん中にブランコがあるんですけど。
ブーメランパンツで、タラーンって出てくるのワロタ。「電話帳でも読んで待ってて」とか頭おかしい。
母親すら別の女性に切り替わるのは、まるで「ファーザー」だし、3者の目線で描くのは、「最後の決闘裁判」のよう。
視点を変えて描くのは結構だが、真実が何であれ、イタリア人男女がその夜何をしていたかなんて、全くもってどうでも良い。
70年代のファッションは楽しめたけど、テーマがいかんせん凡庸だわな。