紫のみなと

太陽がいっぱいの紫のみなとのレビュー・感想・評価

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)
4.1
観終わったあと、あー面白かった!と思わず声に出して感嘆してしまうくらい、素晴らしく映画らしい映画でした。
アラン・ドロンは俳優人生でこのような役に恵まれたことも、その美貌を与えられたことも同レベルで類い稀なる才能ですね。
マルジュ役(役名が秀逸!)のマリー・ラフォレはヒロインにしては無垢すぎるのではと思ったけど、すっごく良かった。マリンファッションもめちゃくちゃ可愛くてお育ちの良さが魅力に加わってます。
ドロンがマルジュに迫る有名なギターのシーンは映画史に残るとさえ思いました。

ところで本作は犯罪映画ということと、原作がパトリシア・ハイスミスでかの淀川長治氏が同性愛的な指摘をされていたことだけが知識としてありましたが、そういう意味ではフィリップ役には女性から見てもそそられるような魅力があまりなかったような…。しかしそういう意味ではリメイク版のジュード・ロウとマット・デイモンは上手い配役といえるのではないでしょうか。リメイク版観てないですけど。
ヨーロッパの映画の邦題は酷いものが多いけどこれは素晴らしい。音楽も名作となる運命に一役買っています。