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太陽がいっぱいのArkのネタバレレビュー・内容・結末

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

2024-55
アメリカ人の貧しい青年トムは、富豪の息子フィリップの父親に頼まれてフィリップを連れ戻すためにイタリアに来た。しかし、次第にフィリップに対して嫉妬心や嫌悪感を抱くようになる。そしてトムはフィリップを自殺に見せかけて殺害し、完全犯罪を企てるのだが……。



フィリップは金持ち親父の息子。彼を連れ戻すためにトムが多額の報酬つきでイタリアに送られる。2人は初めは仲良くやっていたが、フィリップがアメリカに戻らないので彼の父親から契約打ち切りを伝える手紙が届く。フィリップに邪険に扱われたり、目の前でマージュとイチャついているのを見せつけられたりするうちに、次第にフィリップの全てを奪おうと考え始める。

トムをわざと危険な目に遭わせたり、美しい彼女と愛し合っているところを見せつけたり、船から追い出して火傷を負わせたりとトムをないがしろに扱うフィリップ。トムが自分を殺そうと考えていると勘づいた途端ゴマをすり始めるその変わりようがヤダ。まぁそりゃあ、目の前の男に殺されるとなると怖いよな(笑)

トムはかなり大胆で向こう見ずな部分があるが頭のキレる男。しかしサイコパス。殺して成りきることでその人が持っているものを手に入れられると思っている。恵まれない人生を生きてきてフィリップにも邪険にされて、可哀想ではある。

市場で散策する時、死んだ魚の目が印象的に映される。何度か死んだフィリップの顔が船で映されてたので、彼の死に顔と重なったとか?

個人的にアラン・ドロンはフランスイケメンだと思ってるので、トムはアメリカ人には見えなかった。
しかし23歳頃の彼の美貌は半端ないね。おまけにスタイルも良いときてるので、オシャレな街も相まって何をしてても絵になる。

「太陽がいっぱい」という明るい平和な印象を与える題名なのに、内容はかなりダークなクライム映画。
終盤のトムのセリフ、字幕では「(太陽がいっぱいで)最高だ」となっているが、直訳では「カンカン照りの太陽だ」なので「(太陽がなければ)最高だ」という意味になるらしい。そのため、太陽で火傷したりホテルで陽の光を眩しがったりしていたことから、トムにとって太陽は厄介な存在とも捉えられるとのこと。

1つしかない太陽が“いっぱい”。
厄介な“太陽”がいっぱい。
……何気に意味深なタイトル。

階段で死体を運ぶシーン何気にすごくない?(笑)脱力状態の太った男性をあの酔っぱらい連行スタイルで支えつつ階段降りるってハードすぎて地味にびっくり。
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