シンタロー

トッツィーのシンタローのレビュー・感想・評価

トッツィー(1982年製作の映画)
4.0
シドニー・ポラック監督×ダスティン・ホフマン主演のコメディ。俳優のマイケルは、こだわりが強く、曲げられないクセの強い性格が災いして、ショービジネス界の上層部から面倒臭がられて、さっぱり仕事が回ってこない。窮地に陥ったマイケルは、女装して"ドロシー"と名乗り、オーディションに参加。見事昼メロの"病院物語"で大役に抜擢される。馴れない女装に苦戦しつつ人気者になる"ドロシー"。ひょんなことから長年の女友達サンディと付き合うことになるマイケルだが、一方で"ドロシー"を慕う共演者でシングルマザーのジュリーに心惹かれてしまい…。
ダスティン・ホフマンの名演技が光る。当時は女装自体がまだ異色のように扱われていたし、女性蔑視やハラスメントが横行していた時代。遅咲きながら既にスターとしての地位を獲得していたダスティンがこの役を引き受けたのは大きな挑戦だったと思います。70年〜80年にかけて、映画界も大きく変化し始めた頃で、アメリカンニューシネマ期を支えてきたダスティンやアル・パチーノですら出演作は減り、ウォーレン・ベイティやフェイ・ダナウェイ等々、変換期に乗り切れなかった俳優も多々。景気が良くなり年間の映画製作本数は増えたものの質は低迷…MTVの妙な影響を受けた作品が多かった気がします。そんなショービズ界に一石を投じたポラックとダスティンによる力作で、女優の地位向上にも一役買おうとしていたのではないでしょうか。知性とバブリー感が絶妙なジェシカ・ラング、持ち前のコメディエンヌぶりを発揮するテリー・ガーの女優陣が好演。"ドロシー"にせまるジョージ・ゲインズ、チャールズ・ダーニングも可笑しくて、元気がもらえて痛快な気分になれる大好きな作品の一つです。
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