アカウミガメ

トッツィーのアカウミガメのネタバレレビュー・内容・結末

トッツィー(1982年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

2020.6.10 7/74

演技に対する情熱とストイックさは人一倍、すぎて現場でトラブルを起こすためキャリアが詰みかけている役者があるきっかけで性別を偽って仕事を取って大ブレイク、フェミニストを演じているうちに業界および自身の言動の性差別的な一面が顕になっていくが…という話。

主人公の周りの女性たちと「ドロシー」がセクシズムを茶化す笑いに吹き出すこともあったのですがとても特権的な映画だなというのも終始感じていたところ。パワーフェミニズムだなあと思います。うまく言えないけどずっと居心地が悪かった…。

「シスヘテロ男性である」ことをカミングアウトするという奇妙な展開。これがなんだかすごくざわざわしました。
この映画の制作に関わったひとたちは、シスジェンダーとトランスジェンダーの非対称性についてちゃんと考えるということをしたのだろうか。
本当は、こういう話は真剣に人権の問題を考え抜かないと作ってはいけないと思います。でもとても無邪気に何も考えていない感じがして、そういう鈍感さも含めてあまりにも特権的で残酷だと感じました。
舞台版は笑いがトランスフォビックだと批判されていますね。

その他雑
主人公と喧嘩してるときに恋人が「『性の政治学』読んでんだよ!」とキレるところがなんか印象的。