猫語が分かるのか？
めちゃ綺麗で、何もかも備え付けで、めちゃ安いアパートに引っ越して来たシンママのヴィカさん。最高の新生活の始まりだ…とか思ってたら揺れる灯りに、宙を舞う家具に、暴れるドア…明らかに何か超常的な存在がいる。
別号室の住民たち曰く、あの部屋にはエルフが住み着いているとのこと。娘のアリーナちゃんは喜んでるけど、今までの住人は割りと死んでるとも伝えられて気が気じゃない。娘のためにもエルフの追い出しにかかるヴィカだが、何の目的か謎の魔女が介入してきて…みたいな。
世界で何故か僕だけが好きなジャンルにロシアの中世系ファンタジーがあるのですが、本作は現代舞台。でもやっぱりロシアはファンタジー自体が得意分野なのか、これも例に漏れずクセ強で面白かったです。
お話は洒落ならん嫌がらせをしてくる見えざるエルフと、新入居者との果てしない追い出しバトル…そして和解。…といった内容で若干滑り出しは躓いてる印象ですけど、飼い猫クージャくんが突然エルフと話し始めてからは流れに乗ります。基本エルフとのコミュは彼が取るし、喧嘩するし、嫌味の応報をするし、助け合う。かわいい。
そんな喋る猫ちゃんの他に、初手でエルフの毒殺を試みるママ…この子の方がエルフだろってくらい妖精ルックのアリーナちゃん…顔面も性質も邪悪過ぎるエルフ…新入居者が不幸面してると写真記録に残すカス住人…など胸焼け必至な濃いメンツも魅力たっぷり！イカれたメンバー！
こんな成りしといて後半の展開普通に良かったりするので、謎のロシア・ファンタジーを観たい人は是非是非。
個人的に気に入ったのは、家を蝕む見えないカビの話、エスト瓶、蹴り飛ばされてぶっ飛ぶ猫ちゃんです。
