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滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movieのjamのレビュー・感想・評価

滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie(2020年製作の映画)
4.0
いつも重さ量りながら疑ってきた愛
古い傷口の痛みがそうさせていたけど
渇いた胸に注がれていく
君のただ素直な笑顔が
視界を塞いでいた闇を静かに晴らした


暗転から僅かなライトを纏い
白いスーツに赤いシューズの青年が一人
そっと けれど 込み上げてくるものに突き動かされるように踊る

ギターのイントロから
囁くように けれど とめどなく
踊る影に寄り添いながら二人が歌う

スクリーンを観ているのか
ステージを観ているのか
どちらか分からなくなり
ただ、自分の肌が粟立つのを感じて

…その曲のタイトルは「Maybe」
V6のアルバムの一曲で、タイトル通り
私のV6好きな曲TOP5に入る名曲
ツアーでのため息が出るパフォーマンスが記憶に残っている

暫くぶりの思いがけない再会は
彼らの後輩、SnowManの舞台の映画化作品でのこと

元々、タッキーが長年座長としてつとめてきたエンタテインメント
彼の引退後に引き継いだのは
それまでの舞台を共に作り上げてきたSnowManの9人


劇場で予告を観た時は
"腹筋太鼓"見てみたいなぁ、くらいの気持ちしかなかったのに
何かに導かれるように気づけば劇場のシートに座ってた

新橋演舞場での舞台と
スタジオセットをうまく使った
華やかなレビューと時代劇

観る者を如何に楽しませるかを 
徹底的に追求した演出にどんどん引き込まれていき

そこに
聴き覚えのあるメロディが…
まさか、滝沢歌舞伎でMaybeを演るとは

…実は、このMaybeをもう一度観たくて
日を空けずにさらに音響のよいBESTIA上映で再鑑賞したほど


当初の目当ての腹筋太鼓
汗が飛び散る迫力のパフォーマンスは一見の価値あり

そして
後半の目玉、時代劇
タッキーが演じていた鼠小僧が居なくなり、
後継者を探すというまさにこの舞台を象徴する演目
そこは"歌舞伎"と銘打っているだけあり
随所で見栄を切るSnowMan

個々のキャラクターが立っていて
メンバーひとりひとりの魅力が伝わる
正直、それまでは名前を聞いたことがある人が数人いるけれど…くらいだった私が、観終わる頃には9人の見分けがつくようになったのもこの鼠小僧のおかげ

タッキーの初監督作品とのことで
映画としての試みもあり
SnowManの踊りと歌、さらには彼らを盛り立てるアーティストの絶技も見所

ジャニーズを知らなくとも
純粋にエンタテイメントとして楽しめることうけあい


…本家の滝沢歌舞伎も観たかったなぁ
と、大人の財力でタッキー最後の年の公演のBlu-rayまで鑑賞…

三宅健登場シーンで歌われたのは
やはり「Maybe」
そうか、この頃から滝沢歌舞伎でみなさんに聴いてもらっていたんだと感慨もひとしお

…こうなると
次は本物の舞台、滝沢歌舞伎を観るしかないか…
"おそらく"ね。
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