戦国七雄が戦いに明け暮れる春秋戦国時代。王弟反乱時に親友の漂を亡くすも彼と瓜二つの容姿を持ち天下統一を志す秦王の嬴政と出逢って戦いへとその身を投じた少年、信。隣国の魏の侵攻に伴って初の戦場へ赴いた彼が、幼馴染の尾兄弟や謎多き少年兵の羌瘣に伍長の澤圭らと臨む死地と化した戦場で大将軍の道をひた走る大河ロマンです。
手塚治虫文化賞を受賞したヤングジャンプで長期連載の超人気漫画を数々の漫画原作作品を手掛けた佐藤信介の監督で映画化したシリーズ第二弾で、「王都奪還編」に続いて「蛇甘平原の戦い」を前作と同様に原作者の原泰久が脚本として参加して山﨑賢人や吉沢亮に加えて新たに清野菜名や佐藤浩市らを加えた豪華なキャストで盛り立てます。
原作を踏襲した戦国における立身出世をヤンキー漫画風に描く作風を継続しますが、少数精鋭の反乱劇ではごまかしの効いた露骨なワイヤーアクションと青臭い芝居も合戦の中では史劇の重みを削ぐのみで原作に由来するシリーズの限界を露わにしており、日本ローカルの「キャスティング」のインパクト頼りでは大作への期待も萎む一作です。
