“お金をかける”大切さを教えてくれる圧倒的物量による面白さはさすが。ただ前作のダメだったところが今作でもそのまま引き継がれていたのは残念。
前作にはなかった合戦シーンをメインに持ってくることで観客を飽きさせないようば工夫は見て取れる。
が、前作同様に生きるか死ぬかの緊張感が全くないこと、過剰に演技っぽい演技などはやっぱり気になる。
話が全く進んでいないことはまあいいとして、途中に挟まれる回想エピソードの冗長さや、同じ場面の引用などかなりクドい。
さらに緊張感がないために、二人の将の戦いにイマイチ熱くなれない。
主人公のドラマもあまりにもなさすぎるので、肝心のクライマックスあたりで長えなあ...と思ってしまう部分も。
しかも今回の終盤でやったことって次作でも繰り返されるだろうことを考えると見る前から胃もたれしそうになる。
演技のクドさでいえば、相変わらず山崎賢人に“下手に見える”演技をさせているのはどうかと思うし、羌瘣もやけに芝居臭い。
羌瘣でもうひとつ、戦闘シーンについてだがもっと演舞感を出してほしかった。カット割りが多過ぎてみにくいし、いまいちテンションもあがらない。
仮にリアルさとかけ離れてしまうからということなら、じゃあそのリアルさに欠けた芝居演出はなんなんだとか、じゃあそもそも羌瘣というキャラが成り立たないだろとなるし。
そこはもっと演舞的に魅せるアクションにして、信たちの泥臭い戦いと対比させるとかしてほしい。
というかトーンタンタンがダサすぎる。あれは別に漫画的にする必要がないと思う。
あそこに関しては、呼吸を整える意味合いがそもそもなんだからあんなにはっきり言う必要がないし、変にCGを使って浮遊感を出す必要もない。
全体的にリアル路線とフィクション路線にする場所がズレているのではないか。
それと山本千尋さんの使い方が勿体なさすぎる。
羌象役に彼女を起用したのは、過去のPVで羌瘣役をやっていた経緯から羌象→羌瘣への継承を山本千尋→清野菜名への継承に重ね合わせたのかもしれないけど、はっきり言っ
そういうのは必要ない。
そんなことするくらいなら、せっかくアクションができる貴重な俳優なんだからもっと違うところで使ってほしい。
不満多めになってしまったが、大ヒット作品続編でここまで原作通りにやれたことは素直にすごいと思う。
一昔前なら映画オリジナルストーリーで楊端和を無理やり出したりしてそうだし、全ての見せ場を主人公以外に持っていかせるのも中々できることじゃないと思う。
そういう意味では、邦画大作において“必要なこと”が見直される分岐点になる作品だと思うので応援し続けたいし、もっとすごい合戦が見れることを期待したい。
ちなみの前作よりスコア低いけど、今作の方が断然おもしろかったし好きです。