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キングダム2 遥かなる大地へのmoonのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

舞台挨拶付き(ライブビューイング)のを2回続けて観て来た。

佐藤監督と山崎賢人さん、吉沢亮さん、清野菜名さん、大沢たかおさんが、挨拶、質問などに答えていらした。18:50からの舞台挨拶はマスコミも居なくて、リラックスしたのかグダグダ?な雰囲気で山崎さんは吉沢さんにツッコまれ(笑)ていのたが、仲良さが垣間見られ楽しかった☺️
皆さん 本作の前作を凌ぐスケールに並々ならぬ自信を持っていらして、特に山崎賢人さんの表情は 輝いて、自信と達成感と喜びに満ちていた!
本作はまさしく「信」が「主人公」として存在感が有った!大沢たかおさんは 何度も山崎賢人さんの俳優としての役に没入する姿を絶賛されていた!確かに。
アクションシーンは身体能力が高くて素晴らしかった!信の成長が描かれるが、同時に山崎賢人さんの成長が観られる!
佐藤監督の言葉で印象的だったのは
「それぞれの役者がとても良い表情をするシーンが有って、編集中 それに感動していた」
「役者それぞれの登場シーンを大事に撮った」という事。これからご覧になられる方は、是非 注視してご覧ください。との事です。
そして、登場人物の中で魅力的なのは?という質問に山崎さん、吉沢さん二人共に挙げたのは「尾平」(岡山天音さん)だった。山崎さんは長年の友人だという岡山さんが尾平として自分の傍に居てくれて心強かった…と。吉沢さんは尾平の存在が、「今作の中で息抜き?オアシス?的な役割をしていてホッとする」(うろ覚え😅ですが…)「表情も良くて演技の勉強になる」とも話された。うん…確かに!
そして、「今の夢は?」の質問に吉沢亮さんは「苦労を共に撮影したキャスト スタッフさん達と お酒を一緒に飲めるように そんな日が早く来て欲しい」と。大きな拍手を受けていた!共感!
本当に、病気も戦争も無くなって、皆が楽しく集える日々はいつ 訪れるのだろう。
思えば、嬴政が「戦」をするのは「500年先までの争乱の犠牲を無くする為」だが、そのために多くの犠牲者を出すというのは矛盾でもあるけれど、…今でも…戦争において それは変わらない…悲しい…。



[ 以下 ネタバレ有りの感想 ]




俳優達の演技(一部を除いて)や、脚本、スケールの大きさ、アクションの凄さには感動です!
が、今回は 前作と比べて気になる点が幾つか有り、長く 辛口なレビューになってしまいました。







19年の「キングダム」を初めて観た時、エンドロールに流れる「Wested nights」に もの凄く興奮した! 内容にピッタリで、躍動感と高揚感が 堪らなく YouTubeで予告編を探して繰り返し聴いた!観た!その度 感動が、蘇った!
あのワクワクした高鳴りは今でも忘れられない!!


でも …「生きろ」には それらの感情は全く 呼び起こされなかった…歌詞は良いかもしれないけれど…「キングダム2」には不似合いだと思った。


前作の時、佐藤監督が「蛇甘平原」を続編に撮りたいと仰ったのを知って、原作を読んでいた私は「えっ…随分地味な(私が戦シーンが苦手なのもある)部分で…大丈夫?」と心配していたが、「羌瘣」という重要人物の登場と「信の初陣」尾平達も無くてはならない存在だから、やはり描かない訳には行かない…納得。

ストーリーとしては原作を一部 前後入れ替えたりしていたが、スマートに登場人物の背景(特に羌瘣)など描いていると思った。

戦場シーンや平原、丘の風景は 原作そのままの雰囲気で、迫力が有り、VFXの技術の進化に驚かされる!これなら、輪虎、蒙驁、廉頗も 撮ろうとすれば可能だろうな😄と思った。

でも、どうしても、前作との違和感が拭えなかった。何が、違う?

金ローの後半に間に合って観た時 ハッキリ解った。

前作には「色」が有った。「色彩」が!
王騎の「赤い」旗、マント、「炎」、「青い暗闇」、「緑」の竹林や山岳、林、草原、成蟜の「青と白」衣服、「黄金」の玉座、楊端和の「白い」手足、山の民の「淡い光」差す宮殿の間、信の「紺色」の着物、政の「赤い」衣装、「青く静謐」な王の間、あげればきりないが、それらの鮮やかな色彩が、程よく場面転換されていて、目を楽しませていた!

でも、今回の映画では、殆どが黄土色というかセピア?キャメル?カラーの平原の戦闘シーンで、兵士達も歩兵達にも色のバリエーション(差)が無く、戦闘シーンが好きな方々は面白かったかもしれないけれど…ずっと観てると、ちょっと寝落ち💦しそうになった!(実は数秒してしまった💦)
戦場は赤土で砂煙が立つのだから、あのような色彩でも理解出来る。が、今作ではどの場面でも、セピア?のフィルターが掛かっているように見えた。日中のシーン全てが夕日を浴びているようなのだ。王宮の間も前作のような青い空間ではなくて、土埃が舞っているかのような薄暗く、濁った色合いで、登場人物達の衣服も暗かった。政の衣服もくすんだ赤だ。

TVで今作の撮影メイキングシーンを見たが、その時は自然な太陽光の元で、色彩も自然だった。前作も自然な色合いが魅力だったのに、何故今回はこんなにフィルターが?掛かっているのか?理解出来ない。単純に 美しくない!
【後日追記…フィルターがかけてあるのは、羌瘣の衣装が白過ぎて画像で浮いてしまったから?ではないかと推測した。原作では真っ白なので美術さんはその通りに製作して撮影したものの、編集してみたら浮いていて…レビューにも羌瘣の衣装が白過ぎる(フィルター掛かっていても)との感想もチラホラ見受けるので…】

戦場と王宮とのメリハリを付ける為にも、王宮シーンは自然光表現(もしかして前作ではライトの効果で明るく見えていたとしても)で良かったのに。

とにかく、全てのシーンが単調な色合いばかりで、目には寂しかった。旗にしても 原作とは全く違って「魏」や「秦」などの文字が懲り過ぎ?て、更に旗布と文字が明度差が無いために読み辛い。何故、もっと明快な色、文字にしなかったのか?(原作と違いすぎる!原作のデザインは明解でカッコ良かったのに、何故変えた?)

佐藤監督は ラストの王騎と麃公の騎馬シーンは撮らない予定だったが、撮影してる時、あまりに美しい夕日だった為に急遽 撮影したと仰っていた。が、 夕日もセピアに近い色。その前のシーンもセピアトーンだから、せっかくの美しい夕日が特別に感じられないじゃない!!
前のシーンが、自然な色合いだったら、夕日が美しく映えたのに‼️
前作は その場面場面の美しさに 流石❣️と思っていたのに。どうして?


でも、そんな事 全く気にならずに観れた娘は良かった!と言っていた。
だから、私のような鑑賞者は僅かなんだろう。その証拠にフィルマのレビュー平均点数は前作より高い。

けれど、迫力有った戦闘シーンも、もう少しバラエティに富んでいたら…と思う💦
インパクトが有るシーンでも同じ画角が続くと、刺激が無くなり、単調になる気がする。(色合いも単調だから寝落ちしたのかも💦)
もっと信や尾平達の表情や動きをアップで捉えたり、ドローンで上から捉えたり…欲張りですかね😅


と、演出にはブーイングだらけになってしまったが、ストーリーや演技(一人を除いては)に関しては、とても良かったと思う。
そして、今回 登場人物の名前のテロップが出たのは良かった点!
また、原作よりも信の漂への気持ちが強く描かれてたのも良かった!
そして、佐藤監督が仰ってた通り、良い表情も沢山捉えられていた。

特に 尾平。本当に尾平になりきっていて、「すげぇ…💦」には拍手👏👏(笑)羌瘣が女だと知って、誰よりも彼女を長く見つめるとことか、尾平がするであろう表情や仕草を あらゆるシーンで演じていた岡山天音さん!流石!だった。

昔「家族狩り」で観た時から、只者ではないと感じていたけど、本当に見応えある役者だと思う。彼が出てると嬉しい。

そして、清野菜名さん 、「羌瘣」という大人気キャラクターというプレッシャーを見事跳ね除けて 素敵な強くて可愛げも有る「羌瘣」を凄い身体能力を発揮して存分に表現していた!
戦いぶりが美しかった!
ラスト旅立って行く所の笑顔が素敵だった。グータッチならぬ脇腹パンチもGood!(笑)羌瘣らしい!
そして、今回 良かったな…と思ったシーンの殆どは羌瘣と誰かが絡むシーンだった。

映画オリジナル?という信と羌瘣が敵から逃げて二人で夜明かしするシーン。そこでの羌瘣の仇を打って死ぬつもり…に真っ向から反対する信の言葉とか、真剣な表情がとても素敵だった。
原作では もっと後に描かれる「羌象(象姉)」とのエピもこのシーンですんなり描かれていて良かった。
羌象を演じた山本千尋さんが、短いシーンながら、羌瘣が誰よりも慕う存在としての「象姉」を説得力ある演技で魅せていた。
実は「羌瘣」役を以前「キングダム10周年記念」のプロモーションビデオの中で演じておられて、素晴らしい剣舞(巫舞)を披露されていて、彼女を羌瘣に!という声が多く有ったのを知っていたので、今回 羌象役で、その巫舞が見られるかと期待したが…無くて残念だった💦。美しく素敵な声の女優さん。彼女の舞を別の映画等で活かして貰いたい!
「…何より 思い切り笑いたい!」と言う羌象の表情と願いに泣けた…

それを思い出し、涙し、弱音を吐く尾平に対して
「お前はまだ 生きてるじゃないか!!」
泣けた…これは 羌瘣、己自身への叫びでもあった…!と思う。象姉の為にも 生き延びよう!と。
CMでは誰に言ってるか分からなかったが、二重の意味が込められていて感動だった。良かった!

伍の面々も良かった!濱津さんピッタリ。

麃公、呉慶などの印象深いキャラクターの中で原作では 何故か(私的に)薄い印象だった縛虎申。
でも、映画終わって一番 武将として印象深かったのは彼だった!!逆らう部下を切り付け非情な男だと思わせて、一番 犠牲者を思って勇猛に戦い続け、見事 宮元を策に嵌め仕留めた!!もう命がこと切れそうな中、全身全霊で叫びながら敵の大将を討ち取る表情がアップで捉えられて居て彼の意地が見え 痺れた!
原作では もしかして読み飛ばしていたかもしれない💦
「死んだ多くの者がが作ってくれた橋を渡ってここまで来た」
という台詞にも唸った!沁みた。
信への「勇猛と無謀は違う…」も…
縛虎申が、魅力的だった!!


麃公 呉慶の一騎打ちも割とアッサリと描かれていて アレレ?だったが、王騎が「大将軍」とは、「戦とは」と信に(観てる側にも)教えるシーンとして十分だった気がする。
それにしても、呉慶の小澤征悦さん 声が良い!武将としての威厳や眼力が有って、もうこれで作品とはお別れなのが惜しい。
麃公は トヨエツが?と想像出来なかったが、飄々とした雰囲気や 号令を発する時の声の力強さが らしくて良かった。

原作に「声の大きさも将軍としての大事な要素」…と書かれていたが、こと時代劇の武将役者にも それはピッタリ当てはまるな…と思った。
信の声は遠くまで通った…と原作に有る通り、山崎賢人さんの声も通りそうだ。
大沢たかおさんの王騎は叫ぶシーンは少なそうだが、王騎の声としては完璧。



最後に遂に呂不韋、昌平君、蒙武登場!(あれ?蔡沢は?李斯は?)
昌平君、蒙武は原作を彷彿させる雰囲気があり、楽しみ!

でも…でも、
呂不韋って…誰よりもオーラ全開の 眼力の強さと ふてぶてしさと慇懃無礼さと自信に満ち溢れた「大きさ」(外見も恰幅良く、知略に優れ御し難い力)を持つ 政にとって「最大の敵」だよね…

最初 誰が呂不韋か分からない…くらい小さく見えて、話し方も…声も う〜ん…重さが足りない。何で あんなに軽いのだよ!

私の理想は渡辺謙さん、または 松平健さん…だった。見たかったな…。

自分の罪を堂々と告白しても 捕えられない。それほど秦は呂不韋の力で動いていたと…
政が呂不韋の大胆な告白に驚きを抑えながらも微かに感情が動く様を目の演技で見せていたのは良かった。そして「そのような事 あろうはずがない」と冗談として もみ消すしかない政。王の威厳を保ちつつ憤怒を押し殺す政が良かった。

そして


エンドロールの後、「キングダム3」の予告編?が流れた!!!ヽ(^0^)ノ

遂に、私が大好きで、吉沢亮さんも続編が有るなら絶対にやりたいと仰ってた「紫夏編」が観られる!他にも李牧らしき人物が!向ちゃんもいるかな?それぞれ誰が演じるのだろう?羌瘣も居る!赤い衣装が鮮やかだ!3は是非 自然光の映像にして欲しい!!お願いします🙇‍♀️🙇‍♀️🙏🙏

そして、3は王騎の下での修行から描かれるんだな…めっちゃ楽しみ!!!🤣

23年としか分からなかったけど…春に観られると嬉しい(≧∇≦)/[追記 2023 1/1 3は7/28公開]


辛口評価の私だけど、多分 あと1回以上は観る。三回観たが、実は 後に観る程 味わい深く感じて来た。そのうち セピアトーンにも慣れるだろうか…😅


最後に
「キングダム」の登場人物 信も王騎も 羌瘣も麃公も 蒙武も…楊端和も…そして政だって
その生き様は まさに ロック⚡︎だと思う。
だから、「キングダム」の主題歌に相応しいのは、躍動感あるロック、若さなんだと思う‼️

是非とも 次回作の主題歌では トキメかせて欲しい!!


長く取り留めのないレビュー 読んでいただき 有難うございますm(_ _)m
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