Ginny

キングダム2 遥かなる大地へのGinnyのレビュー・感想・評価

1.5
そっち行っちゃったか。邦画の駄作方面に。
1が良かっただけに期待していたので悉く残念な気持ちになってしまった。

原作のストーリーの展開上、1で存在感を放っていた登場人物の出番が少ないのは仕方ないけれど、それなりに主要人物や、圧のある人たちは出てくる話なのに2からのキャストのパンチが弱いと感じて不満。
一番不満だったのは羌瘣なのですが、ここは複雑な気持ちです。
キングダム原作連載の記念で作成された実写記念映像(なぜか今公式のものが見れないのが惜しい)では中国武術を幼少期から習っていた山本千尋さんが羌瘣を鮮やかに演じてくれて感激したけれど、実写映画でキャスト続投は知名度的に難しいのかなと思っていたら案の定アクション女優として名高い清野菜名さんに。羌瘣特有の腕を広げたままの走り方や軽快なアクションは確かに見事ではありましたが、羌瘣はキングダムの中でも独特の剣術巫舞で闘うのでそこを期待していたのにトーンタンタン言ってるだけでほかは普通のワイヤーアクションだった(涙)体の重心?体幹?がついていってなくて、引っ張られてるだけに思えて解釈不一致でした。

羌象役で山本千尋さんは出てますがアクションありましたか😿流し見だったので見落としてたら申し訳ないですが期待してたのになくてガッカリしました。
先日彼女が『アナザースカイ』に出ていて、キングダムの実写特別映像以外で知らなかったので素のほわほわした雰囲気が意外だったのですが、アクションやジムトレーニングになった途端体の動きがキレキレで動作が美しく、単なるアクション女優ではなく中国武術をやってきた強み、魅力を存分に感じました。
その彼女を、せっかく日本映画でメジャーに中国武術を見せられそうなのに羌瘣として出られなかったのがとても勿体無いと思いつつ…。蛇甘平原の戦いから信が政と貂の元に戻ってきたシーンを見て、あ、この3人と肩を並べるならそりゃ清野菜名になるわなと納得してしまいました。

あと、原作の羌瘣って目が丸くて大きくてキュートな顔立ちで天然ボケで可愛いので、清野菜名さんだとちょっと落ち着いて美人すぎるのが合ってないなと。その点山本千尋さんは大きな目と顔立ちが原作の羌瘣に近い気がするし、それでいて動き出したらキレキレというのも合ってる気がしたんだけどな。
あとあと、清野菜名さんの目元のクマの凹み気になってしまいましたね。仕方ないとはいえ、一応、羌瘣は若いはずなので、苦労が顔に出てしまったように思えました。

豊川悦司も、小澤征悦も存在感ある素晴らしい役者さんではあると思うのですが、キングダムの可笑しなキャラデザをどう現実に落とし込むかの技とご本人たちがマッチしてなくて本領発揮できなかったのではと物足りない気持ち。
大沢たかおの王騎が出てきた時に、圧倒されて心躍ったので、将軍はそれくらいワクワクさせてほしい、やっぱ大沢たかおすごい!と思いました。
1は良かったのに2はなんで?と思うヘアメイク衣装が多かったです。
玉木宏の昌平君めちゃめちゃ楽しみにしてたのになんで原作通りのスーパーストレートじゃなくて髪の毛うねってるの(滝の涙)
蒙武はもう一体何なのギャグなの。キングダムで一番好きな蒙括の実写キャストが今から不安で仕方ない。

あと主題歌…。
ミスチルはライブに行くくらいでかなり好意的ですが、これは違う😿
せっかく1でワンオクの「Wasted Nights」がスタイリッシュに信やキングダムを表してくれて作品の魅力を底上げしてくれていたと思うのに。1の主題歌は、想像しない素晴らしいものだったのがミスチルの主題歌は想像の範囲内というか、あるある感、映画を矮小化してしまう、映画の可能性を広げない感じがして残念。安牌な感じ。刺激があるかといえばない感じ。
ミスチル好きな曲も多いですが、私は2007年以降のHANABI以外のドラマ映画主題歌があまり好みではないです。
今回、フェイクみたいな曲調だったら良かったのにな。

そんな中でも、主人公信役の山崎賢人さんはほんっとうに素晴らしかった。全私がスタンディングオベーションの気持ち。
信の実写化にあたり、漫画をベースにリスペクトしながら実写となった時に不自然にならない絶妙なバランスで全力に演じていてとても好感が持てる。
そう、実写となった時の不自然…。
ここを間違えてしまうと、尾平たちは原作とほぼ見た目が違ってパンチが弱い、原作の脇キャラの魅力が映画だと伝わってこない。逆に、麃公は無理に原作の要素を実写に持ち込んだのでなんか不自然、歯ギザギザにすればそれで麃公ってわけじゃねーぞ!と思った。その要素を拾ったのも素晴らしいけれど、麃公の実写をどう表現すればいいかが思案されきってない不完全燃焼感を勝手に感じてしまった。

漫画はやっぱり漫画だから面白いのだと思ってしまって残念。
せっかく1は漫画原作の実写の割に好感持てていただけに。
漫画の出鱈目なほどの強さやデフォルメ表現、誇張表現。そのままやっても説得力が映画ではない。

あと、どーしても平地での騎馬戦が。
見ながら、LOTR3のペレンノール野の戦い見てぇ…!とクオリティの低さに気が散ってしまいました。馬乗ってる時の体幹がブレすぎでは、武器を持つ手の筋肉感がなさすぎでは、死地なのに顔に気迫なさすぎでは。
騎馬戦撮影するならLOTR3のペレンノール野の戦いは必見!!!!!!!
LOTRの撮影、編集は20年以上前なのにな…。

信が蛇甘平原から帰ってきてから宮廷内のシーンはライティングもシックで1の魅力が戻ってきたというか、物語の舞台がコンパクトだと象山の大きなセットが生きるから映像に魅力が出るけれど、戦場のシーンは、もしかしたら日本映画界のスタッフでは無理なのかもしれないと思いました。皆さん頑張ってるのにすみません。

とか言いながら、紫夏が杏なのはピッタリですし、李牧キャストも気になるので次作も楽しみだったりする。
Ginny

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