Poniha

海の上のピアニスト イタリア完全版のPonihaのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

船上で生まれ育ち一度も船を降りることがなかったピアニストの生涯を描いた寓話的作品です。「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督、音楽はエンニオ・モリコーネ。

1900年、豪華客船ヴァージニアン号の機関士ダニーは、ダンスホールのピアノの上に置き去りにされた赤ん坊を見つけ、その子に1900(ナインティーン・ハンドレッド)と名付けて育て始める。
彼は一度も船から降りることなく成長し、やがて天才的なピアノの才能を発揮する。。

語り手のトランペット吹きのマックスの回想と現在を行き来する物語ですが、20年以上前に一回観た時は、そんなに刺さらなかった気がします。若かった自分には、1900の船を降りたくないという気持ちが、何か投げやりに感じて共感できなかったのかもしれません。でもこの完全版を観て、船を降りなかった1900にすごく共感出来る自分がいました。哀しみにあふれているけれど、1900にとっては、船から降りないという選択肢しかなかったのだと気がついたからです。


あの少女に恋焦がれ、彼女との生活を想い描いていたはずの1900は、タラップを降りて、彼女がいる地上への一歩が踏み出せなかった。私の勝手な思い込みですが、そんな1900が『ニューシネマパラダイス」に出てきた、『99日目の夜』の兵士の姿と重なりました。。
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