ピアノを弾いている時はこの上なく大胆で自由奔放なのに、船を降りることはできないという1900(ティム・ロス)。
誰しも経験したことのない未知の世界に恐怖を感じることはあるけれど、外の世界を一度も見たことがない彼にとっては、船の外は得体の知れない恐怖に満ちた世界なんでしょうね。
それでも彼を気づかい寄り添おうとする親友マックスの想いが、あったかい気持ちにさせてくれます。
マックスは、1900のその類稀なる才能を活かせば陸でも充分生きていけるからと、船を降りることを勧めるものの、1900にはそんな気はさらさらなく、ただただピアノを弾くことが好きでたまらないようで、彼なりには充実した生活だったのかな。
この先ネタバレしてます。
もし、彼が海の上ではなく陸で生まれたならば、ジャズピアニストとして活躍し、かなり裕福で幸せな生活を送っていたのかな…なんて、たらればの話をしても意味ないけれど。
ラスト、荒れ果てた船の中に響き渡るピアノの美しい音色を聴きながら周りを見回すマックスの切なげな表情に、胸が締めつけられる思いがします。
1900との再会は、マックスの空想だったのかな…?