Yui

海の上のピアニスト イタリア完全版のYuiのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

通常版でカットされたシーンの追加に加えて、通常版とは別バージョンで編集されたシーンなんかもあって違いを見つけるのがなかなか楽しかった。
「ニューシネマパラダイス」の完全版はジャックペランのご尊顔が沢山拝めて最高だったけど正直やっぱ長いな…という印象だった。それと比べると今作のイタリア完全版はあまり気にならなくて、このシーン本編にいれても良かったんじゃないかというものもかなり多かった。
以下気になった追加、変更シーン↓

・タイトルクレジットが今作ではイタリア語表記なのが本来のジュゼッペトルナトーレ映画感があってこちらのバージョンもいい!

・幼少期の1900が船の人みんなに可愛がられてきた描写がこちらでは少しある。バレバレだけど本人は得意げにクリームたっぷりのパイを盗むシーンが可愛い。

・「○○はクソだ!」と1900が度々言うのは労働者達の中で育ったからかとぼんやり思っていたぐらいだったけど、育ての親のダニーが「法律はクソだ!」と叫ぶシーンを見て、あぁダニーから知った言葉なんだ…って確信が持てて涙…!

・マックスと1900が初対面するマジックワルツのシーン。本編になかったマックスの語りが追加されている。"これは海とのワルツなのだと思った"という台詞が良かったので回想シーンとは被せず、シンプルに語りのシーンとして入れてほしかった!

・タウンテラを頼まれて弾くシーンで意味深に1900を見つめる男性。意味深な割には彼が何だったのかよくわからなかったけど、彼はアメリカのウィルソン議員という役柄な事がわかった。確かにこのシーンはいらないかもだけど彼が誰なのかは謎だったから答え合わせができて良かった。

・女性と通信でお喋りを試みて失敗した後、サラトガ競馬場に通信をかけるシーン。「ママは走る?」と訪ねるシーンが印象的。女性とのお喋りじゃなくてこっち使っても良かったなぁ。

・1900が船を降りようとしたものの、やっぱり船に残る決意をし、その後の初演奏シーン。1900の超絶技巧なピアノソロが多かったけど、このシーンで初めてマックスが本格的に主役な1900との演奏シーンが見れる。マックスはトランペットソロを吹きながら涙を流す。このシーンもあって良かったのでは!

・もう1900は死んでいるのでは?と問われたマックスが「彼は普通の死に方はしない」と返すシーン。これは後の事考えると少し嫌なフラグかも。(このシーン通常版あった?ちょっと自信ないです)

・エンドクレジットの時に流れる音楽が通常版と違う。(通常版は1900のテーマ、完全版は愛を奏でてのオケ版)
通常版の方がゴージャス感があって華やかなピアノソロが1900を彷彿とさせる。
完全版はしっとりとした雰囲気でトランペットソロがあるので、今作の語り手だったマックスの方に思いを馳せてしまう。どっちも良いので2パターン用意されているのが有難い。

想像以上に解像度が上がってこっちもみて良かった!人生のトップファイブに入る大切な作品です🎹
Yui

Yui