オンライン試写にて。
主人公は松濤に住む箱入り娘の門脇麦、結婚相手として家柄がとても良い高良健吾、そして地方から出てきた女性として描かれる水原希子の物語が交錯していく。
映画は章立てで進んでいき、丁寧に紡がれていく。
この映画を観ると、ついつい自分の境遇との比較したり照らし合わせて語りたくなる映画だと思う。
東京の住人の中でも格差があり、
有名私立の内部生と外部生の格差があることが描かれるのだが、
東京育ちの私は華子と美紀の中間のような立場を体験した。内部生とはいえピンキリであること、お嬢さんの浮世離れしていても育ちの良さゆえの人の良さなんかも実感していたので、華子というキャラクターに不思議と愛着が湧いた。
とは言え貴族といえども人それぞれ。色んな生き方があり、貴族といえどもイツコちゃんみたいな生き方もある。
生まれる境遇は変えられないけど、そこから飛び出すことはできる。
女性は自由で縛られることはない。そんなふうに映画を見て感じさせてくれる映画である。
物語のしめ方はややベタな感じもあり、特に地方出身の描き方は山内マリコさんだなという感じもしたが、じんわりと楽しめる作品だった。