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あのこは貴族のMOONのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
都内一等地の上流階級で生まれ育ったお嬢さまと富山の田舎町のごくごく普通の家庭で生まれ育った女の子を対比で描いていく物語。

いやー、すごく見応えありました!上流階級で何不自由なく生きてる人たちを羨ましく思うかと思ったけど全然そんなことなくて 息が詰まりそうだった…友達との集まりでの会話もゾッとするものばかりで。まぁそれは私が庶民として生きてきたからであって、その階級の人たちにとっては それが「当たり前にある日常」なのだろうから そこに息苦しさやストレスを感じることなどないのだろうけど。

どちらが幸せかはそれぞれが感じるものなので比較するものでもないのだけれども 庶民として生きている美紀の「生きている実感」が眩しかった。自分の人生をいかようにでも変えていける。裕福でなくても周りにいる人たちや家族、友達がかけがえのない宝物に見えた。親友の里英ちゃんとキャッキャ言いながら自転車の2人乗りして帰るところ大好きだったな。「嬉しい日もあれば泣きたくなる日もあるよね」って励まし方も心に沁みました。

華子の友達の逸子も上流階級のお友達の集まりの中ではどこか浮いてるんだけど、しっかり地に足をつけて自分の人生を生きていて素敵だったなぁ。彼女の存在もまた華子を変えていく。住む世界は違えども価値観は自ら作り上げていけるものだし 生き方も選べるはずのもの。そんな風に思えるラストも眩しかったなぁ。華子と逸子のキャッキャも見られてほんわかした。とにかくすっごく心に残るセリフがたくさんあってグサグサ刺さることも多々あるけど 見終わったあと ちょっと上を向いて歩いていきたい気持ちになれる作品でした。

高良健吾くんは反則でした… 華子が恋に落ちる瞬間、一緒に落ちてしまった(笑) 「こんな事ってあるんですね…」って言葉に共感しかなかった。あのビジュアルで あの女性に対する気遣い。いや、死ぬ…これアカン…って何度もなりました(笑) こんな人いるんですね…(お芝居だけれども)嫌味のないカッコ良さがズルすぎました。

門脇麦ちゃんと水原希子さんは配役 逆の方が良かったのでは?と思いそうな気がしてたけど 2人ともビックリするほど合ってた。麦ちゃんはどちらでもイケそうだったけど、水原希子さんは こういう役も出来るんだ!って驚きました。これは収穫。

親友役の石橋静河さんと山下リオさんもこれまで観た中でベストオブかも。出てくる役者さん すべてがピッタリはまってて気持ち良いぐらい。大好きな作品でしたー。
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