すあまさえ

あのこは貴族のすあまさえのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0

面白かったです。
ずっとSFばっか観てたから上手く書けないけど、面白かった。

まず門脇麦さんの演技が凄く良い。
幸一郎に心を奪われた瞬間の顔がもの凄くリアルだったと思う。恋に落ちたんだなって。どうか酷いフラれかたしませんようにって思ったけど、華子の方からお別れを告げるんですね。

いかにも本当にありそうで、というか「わかる、!そうそう」って強く共感してる階層の方もたくさんたくさんいらっしゃるんでしょうね。

27歳にしては少し子どもっぽいというか。
世界を知らない華子。タクシーでいつも移動するんだよね。働いてないから、もちろん旦那さんや実家のご両親のお金で。

それが全く悪いとも思わないし、いいなぁとさえ思う。けど、私たちとは違う狭くて酸素が薄い場所にいる。

結婚してくれただけで十分だよ、って、本当なんじゃないかなと思うんです。
あの家に嫁いでくれただけで、あの両親の前に来て頭を下げてくれただけで、毎日寂しくても何も言わず家にいてくれるだけで、本当に十分なんだろうね。

良いところ(恥ずかしく無いところ)にはやくお嫁に行きたい。
家庭に入ってくれる良家の女の子。

見事に自分自身とそれぞれの家にとってとってもとっても良い話だった。それだけ。

別に、2人の仲は根本的にはそんなに悪くならないと思うんです。


美紀もいいよね。
田舎の閉塞した感じ。同窓会に行くっていうだけで私は偉いと思います。私だったら絶対行かない。

自転車でサーっと通り過ぎて行く姿が綺麗で、自由に見えて、羨ましくて。

どっちの階層の人も、決して違う階層には行かない。というか、行けない。
自分の生まれた環境で戦って生きていかなきゃいけない。

結局、みんな同じだと思う。
すあまさえ

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