あお

あのこは貴族のあおのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.7
前半は東京(貴族)と地方(庶民)、独身と結婚という対比を際立たせる章立て構成がわかりやすかったけど、後半はあまり意味をなさなくなり、失速と間延びが否めない。
ただラストのなんともいない余韻はなんだろう、妙に印象に残って離れない。しがらみから解放され自律した華子は再び恋をするのだろうか。
けっきょく皆、無いものねだりなようで、同じようなことに不自由を感じ同じものを求めている。それに終わりはないということか。

「違う階層の人とは出逢わないようになっている」
「どこで生まれたって(略)その日何があったか話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない。旦那さんでも友達でも。そういう人って案外出逢えないから」
「違う階層(セカイ)を生きていても、同じ空を見ている」
…予告映像のテロップや作中の台詞から、原作小説への興味がふくらむ。

目の前にテーブルがあるのにわざわざ人の背中を借りて文字を書くシーン。他に不自然なシーンは目立たなかったので、ここだけが残念。
あと…華子はビニール傘じゃなくてもっと高級な傘使ってほしいんだけど…貴族って意外とビニール傘なの?笑

篠原ゆきこさんの演技がやっぱり光る。
石橋静河さんも良かった。
あお

あお