法月

あのこは貴族の法月のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.8
生まれ育ちは自分では選べない。
けれど、親の人生トレースするような生き方選ぶか、レール外れて我が道を切り開くかは自分次第。
どっちが偉いとか素敵とか、どっちが楽か大変か、そんな話じゃない。
みんな大変。要はその人の人生、上も下もない。
よくあるハイソなお方たちを必要以上に嫌な人間に描いてない点が良かった。

門脇麦のいいとこのお嬢さん役、珍しいなって思って観てた。
けど、ばっちり似合ってた、役者やのう。

一方、富山で水原希子みたいな娘歩いてるの見たことないんすけど(;'∀')...
まぁいいか。

<余談>
数年間だけど渋谷にある会社に勤めてた時期があって...
東急文化村上ってった先の雑居ビルの一角にある小さな会社なんだけど、
井の頭線の神泉駅利用して帰る時もたまにあって、その途中で松濤の高級住宅通るわけなんだよね。
渋谷の喧騒が嘘のようなシンと静まった場所で、名前忘れたけど現役大臣の豪邸があって、3メートルくらいある塀に囲まれてて、その一角に警官の詰め所があったのよ。警官がひとり、ずっと立って警護してるんだよね。
いつ通っても直立不動で黙って立ってるの。大変な仕事だなぁって思って... この塀の向こうには自分とは別世界の人が住んでるんだなぁって思いながらそこ通って... まぁ松濤って名前聞いて思い出した。それだけの話です。

今は故郷の北陸帰ってきてもう数十年です。
「...ながやちゃ」って語尾聞いてあ、富山? お隣りじゃん、て...

東京の人間が幸せなわけでも不幸なわけでもないし、地方の人間が幸せなわけでも不幸なわけでもない。
人生いろいろ。みんな、それぞれの人生。

華子も、幸一郎も、美紀の人生も否定も肯定もしない、できない。
この映画も誰の生き方も否定も肯定もしてなくて、そこがよかった。

毎日レビュー 063
法月

法月