おばけシューター

あのこは貴族のおばけシューターのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.2
あのこまで大層なものでは無いですが、渋谷松濤にある私の実家もかなり伝統的なタイプでした。
なにかと家族で写真館で撮影しますし、妹はずっと家事手伝いで、刺繍が趣味でした。私もよくブルーノートなんかでジャズを聴くのが好きで、父方の祖母の付き合いでお見合いをさせられた事もあります。
まぁ松濤ってのは嘘ですけどね。ちなみに妹の趣味が刺繍ってのも嘘なんですがブルーノートってのだけは本当に嘘でお見合いだけはガチで嘘でした。
写真だけは本当です。
わたしは記念写真家族 。略して記族💁‍♀️

貧困層の戯言は置いといて、冒頭20分で門脇麦の演技100点(ってか門脇麦って本名なんだ。本名麦!?)
お行儀のよい伏し目がちの少女、うまい。原作読んでも、ここまでよく感じなかったろうな。アイスの棒の持ち方ひとつ取っても違う。

序盤、丁寧で慎重な動きと発言だからこそ、相手の一挙一動のダメさ加減が浮き彫りになる構造に、なんならスリリングな雰囲気まで感じてしまうなか、ちょっとまともな人に会うとコロッと行ってしまう気持ちに気付いたら完全に共感!
貧困おじ👵🏻なのに。

あらゆる立場で、それぞれの苦労が描かれており一概に誰が、どの階層が悪者だという話にならないのは当然の答えと思うが、映画ならではのアッというような返答があってもよかったかな。
でもどのキャラもどこか抜けてて、雛祭り展のチケットのくだりは脱力した。重い書面とか金とかじゃねーのかよ!(二人を会わせるほうもおかしいし)

平和な日常が続く作品にも関わらず、好きなシーンたくさんの傑作でした。
それとも、自宅の84インチモニターがよかったのかも。