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あのこは貴族のKasaのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.1
2つの階層の女の子たちの話かと思っていたら、ちょっと違った。観る前と後とでタイトルの響きが変わるのがおもしろい。(とくに「貴族」)

生粋のお嬢様との解りえなさとか、東京のボンボンたちの正体の掴めなさとか、人脈に飢えた人たちのパーティとか、地方の変わらなさとか…
たぶん、大学生ぐらいで上京して意識高く生きてみた時期がある人には、恐ろしく生々しい描写がいーっぱい。

でも同時に、俳優さんたちの美しさと演技力と緻密な演出のおかげで、小説に没頭しているときのような非日常感もあった。
そのリアルさと非日常のバランスが絶妙で、すごく心地いいし飽きない。

ある時期の女が抱えがちな悩みや不安を晴らすような映画だった。

どんなに悪く言われようとも、ジタバタしようとも、何歳になっても、自分の足で歩こうとすることを辞めないでいたいな。
もっと鬱々とした気分になる映画だと思ってた。いい意味で期待を裏切られた!

好きなシーン:ビニ傘のところ。人の性格って、案外靴よりも傘に現れるのかな。と思う。
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