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あのこは貴族のScreen7のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.7
小さい頃、お嬢様に憧れていた時期があったなー。『メイちゃんの執事』や『謎解きはディナーのあとで』等、ドラマの影響が大きかった。階層の絶対的な壁を自然と理解していったから、成長と共にそんな感情は失くなったけど。そういう意味では本作の「東京というのは、違う階層の人とは出会わないようになっているんだよ」って台詞がスーッと理解できてしまった。住まいも移動手段も食も娯楽も付き合う友達も、何もかも違う。"類友"という言葉や"周囲の5人を平均したのが自分"という説にも疑問を持ったことないもんな。
しかし本作では、全く違う生まれ&育ちの2人の女性の人生が交差する様子を描いていて、日常の中の非日常感が楽しい。出会いのきっかけはドロドロ三角関係になりそうな雰囲気だったけどそんなことにはならず、安い恋愛映画に転ばなかったのが好印象。誰かありきの自分ではなく、自分軸の人生を選んだ華子の表情はとっても晴れやかだった。
散歩で松濤を通ったことあるけど、一本道入ったらこんな静まり返った場所あるんだ…と驚いた。住宅街というより屋敷街。本作の幸一郎はそれ以上の家柄って…「上には上がいる」とはよく言ったものだ。
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