いはん

あのこは貴族のいはんのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.3
“ねぇ、2ケツしてく?”

なんて素晴らしい映画なんだ。
話は一回さて置き、素晴らしい監督だなという印象。無駄なシーンはなく、伝えたいことが全てダイレクトに届く。安易な言葉ではなく、仕草や雰囲気で伝えるのは本当に難しく、それを難なく?できるこの監督さんに拍手をしたい。

ストーリーはもう、素晴らしいの一言に尽きますね。階級、フェミニズム、そんな言葉でこの映画を括るのはなんだか性に合わない。私は”私たち”という言葉でこの映画を表したい。27歳って確かに大人なんだけど、一番混沌としてもいる。もう若くないからと自己抑圧する一方で、これが最後に変わるチャンスかもとウズウズする。それは階級に関係なく、必死に生きる全ての女性に訪れる段階なんだと思う。私たちは経験して、傷ついて、苦しんで、迷って、考えて、そして私たちの道を見つける。だからこれは私たちの、生きる物語だと思う。

2ケツをする二人、ミニカーを乗る2人。階級も、状況も何もかも違うんだけど、自由や幸福だけは共通していた。それが、私には堪らなかった。
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