ゆりな

あのこは貴族のゆりなのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.8
山内マリコ、エッセイは共感しまくれる面白お姉さんなのに、文学になった瞬間に生まれる繊細さが好きだ。
だから観る前から、多分ハマるって分かってたよね。

「あの子は貴族」。ただ東京生まれというだけで年々お金持ちに見られる私も他人事じゃない。
(ただうちの場合は悲しいことに、家が貧乏なので、世田谷区民と言うラベルに追いついてない)
お嬢様校の窮屈な感じは漫画「スケッチー」に似たものがある。

美人で悪い子じゃなくて箱入りで育てられて自立していないというより、芯がない。
でも自我はある華子(門脇麦)。頑張れとしか言いようがない……!
逆に美人で育ちが良く、周りからは灰汁がなく見えるから、紹介するにはうってつけなのだ。
そしてデフォルメされた男性キャラがちょっと辛かった。

美紀(水原希子)のターンも田舎ならではの世界観におお、となりつつも水原希子の可愛さが光り輝いてた。

みんなの評価と同じく、同じ学校育ちなのに堂々してて、地下手でコンビニのおにぎりを堂々頬張る白Tの石橋静河の眩しさよ。

私は偽善ぶってる浮気者が大嫌いなので、2人と関係がある高良健吾にこのやろー!と思いつつ。
ずっと楽しそうじゃない登場人物たちを見守りつつ、華子と美紀が二度目に出会い、おうちで話すシーンになってやっと笑顔が見える。朗らかな表情に私含め観客もほっとしたんじゃないかな。

原作が出版されたのはなんともう12年も前で、当時だったらこのラストに感動できたであろうに、今は類似品が多くて、ちょっと感動が薄かったのも事実。
映画が出た4年前でも、今よりフレッシュだったろうから、やっぱり面白そうと思った作品は溜めずにすぐその時代時代で観るべきだなぁと反省。
ゆりな

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