レオン

タミー・フェイの瞳のレオンのレビュー・感想・評価

タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)
3.5
ジェシカ・チャステインの名演(主演女優賞)を見るため視聴。
確かに過去のチャステインが演じたキャラクターとは全く違う。 今までの彼女は、筋の通った信念の強い女性を力強く演じる事が多かった。

が、今回は悪い表現をすると、ちょっとぶりっ子している ともとれる様な女性を声色まで変えて演じている。
目線も、相手を凝視する様な今までとは違い、TVカメラや注目してほしい人物の気を引くような目線が多い。
それを違和感やオーバーアクトなく自然に見せているのは、さすが・・・。
それにあの強弱の変化ある歌唱は音楽にうるさい私でもスゴイと感じた。

残念なのは役柄に共感出来ない点・・。
この作品ではタミーをかなりピュアなイメージで描いているかもしれないが、昔見たドキュメンタリーでは、信者から莫大な金を搾取した宗教家という風でよいイメージはなかった。
あの浪費ぶりを見れば、慎ましい生活をしてる人ほどそう思うだろう。

映画は、その活動がどんどん広がる様や、華やかなTVショーの演出など旨く見せている。
が、共感出来る登場人物が出てこないと、感情移入の対象がなく、物語の進行しか入ってこなくなってしまい、ああこういう人だったんだ で終わってしまう。
物語的にも手作り人形が功を奏したあたり以外は、さほど面白いと感じなかった。

一人の宗教家から大統領選挙の票田としてまで成り上がった人生は特筆物だが、同じ描くならもっと賞賛できる人物を演じてほしかったのが私的な本音。
たとえば ヘレンケラー や マザーテレサ 等・・。
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