武松

微妙なプレゼントの武松のレビュー・感想・評価

微妙なプレゼント(2015年製作の映画)
3.3
特に好みでないプレゼントをされた時の他者の受け取りを主人公は実験したかったのかな?だとするとバス停での会話はなんだってことになるしなー。。

(映画に限らずだが)ショートストーリーは正解がなく考えることを楽しむものが多いけど、作中での情報量が増えれば増えるほど、作品の考察の幅は狭まる。しかし正解がないことこそが正解である場合もある。不条理劇だ。

フランスの作家、カミュの考えによると、「人生は不条理を超えたところにある」とある。また、喜劇王、チャップリンは「人生とは近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」と述べている。

この二つの考えがこの作品で繋がる。つまり、彼には作中不幸なことしか起きていない。例えば、主人公は、誕生日にいらないものをプレゼントされ、プレゼントをし続けていた女性には彼氏がいて、いらないプレゼントだと思っていたものは友達のもので返してほしいと言われるが(これに関してはコンジェクチャーの域を出ないが)もう手元にない。しかし彼はラストシーンに笑い、このストーリーのジャンルはコメディである。
この映画の不可解な部分も不条理劇であるとすると納得せざるを得ない。

第二パラグラフとダブるが、ショートストーリーの面白さは考察にあると思う。話そのものに深みがなくとも、視野を拡大していけば様々な考えに帰納すると思う。物語が長くなればなるほど、情報量が多くなればなるほど全てを踏まえて考えるのが難しくなる。その点ショートストーリーは全てを記憶した上で、ピースを自分なりに組み立てられるので面白い。

作品より長い時間考察した笑
武松

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