このレビューはネタバレを含みます
アナ・デ・アルマスが可愛い少女から、綺麗な大人に成長していく過程を見た感じ。ピンクの髪に、はじける笑顔が心底素敵でした。ジャケット写真から『カリブの白い薔薇』的なエロ系を想像してましたが、全然そんなことないかな〜。
オープニングロールでの出演者の名前の出し方が好き。スケッチブックや、クレジットのサイン、タイプライター、点字、折り紙、漂流してきた小瓶の中のメモ、ケーキの上、花束に添えられたメッセージカード、ティーバッグの札、クロスワードの答えの一つ、ジャムのラベル、テキストメッセージ、フォーチュンクッキーなど。スプリットスクリーンと呼ばれてるのかな、左にはジャムを塗るパンの映像、右にはジャムの瓶のラベルに出演者名という出し方。冒頭2分で相当、ワクワクした。
作品は全体的に印象派の絵画を見ているようで、光の撮り方が綺麗。アナ・デ・アルマスの美貌のせいか…。アナ・デ・アルマスはHIVに感染してしまったソルの役。相手役ダニも、ハリウッド俳優にはない魅力が。マルチン・リバスという俳優さんらしい。ダニはルポライターなのに、身分を偽って、ソルに近づく。HIV陽性者同士で仲良くしよう的な感じで感染者のふり。ちょい役の女優さんも皆んな綺麗なんだけど、他人の恋愛への口出しが喧しい感じ。スペインやベネズエラでは日常なのか、不思議だった。ダニの元カノが出てきたり、友達の彼の話になったり、物語の主軸がズレる感が。
ソルとダニは、HIV陽性でありながら、デートを重ね、お互いに惹かれていく。でも、ダニは記事を書く為にデートごっこしてるだけで、HIV陽性でもない。正直に言えば良いのに。そして、関係を持つ段になると、怖気付く。記事のために付き合っているはずが、ダニは本気になってしまうんだな〜。監督のメッセージが何だったのか、HIV陽性でも、恋愛はできるよ、ってことかな。
ソルが今日することを付箋に書いて壁に貼っているんだけど、自分の命に限りがあると知っているからだと感じた。でも、健康体な人の命にも限りはあるわけで、達成すべきことを常に意識して生きることって大事だなと思う。ソルとダニが部屋で日本食とお酒を楽しみ、お箸を使おうとするシーンが意外でもあり、日本人として嬉しい気持ちにも。カウンセラーみたいでお節介な主治医、問い合わせで簡単に情報を漏らすダニの職場の上司など、何かとゲンナリする登場人物もいたけど、ダニが本気になってくれて、手紙をくれていて良かった。