人間が外出している間のペットの様子を描いた話。
味のある絵本のようなタッチが味わい深い。家の中だけを映した固定カメラみたいな構図にも惹きつけられた。ネット黎明期に流行ったフラッシュみたいで少し懐かしさも感じた。
飼い主が外出している間に気を引こうとあれこれ作戦を練っているのかと思うと、よりペットが愛おしくなった。
外で嫌なことがあっても帰ってきてペットが迎えてくれると幸せな気持ちになるけど、この飼い主はどうやらそうでもないらしい。何かワケアリなのかと思わせておいてからの後半の例のシーンが不気味すぎてゾワゾワした。
あれは風刺なのかな。外で雇われている人間もペットみたいなものってことなのか。ペットを飼っているつもりでも、自分も知らず知らずのうちに誰かに飼われているってことなのか。こういったシニカルな要素は嫌いじゃないけど脈略がなさすぎてイマイチ意味が伝わりにくい。
柔らかい絵のタッチの中にブラックな要素が効いた灰汁の強いショートフィルムだった。