モールス

リフ・ラフのモールスのレビュー・感想・評価

リフ・ラフ(1991年製作の映画)
4.0
「リフ・ラフ」という言葉が、社会的底辺の者を指してるらしいですね。日本人も中流意識がなくなり、格差が拡大した社会になったことで公開当時よりも本作の主旨がより伝わるようになったと思います。
貧窮生活から抜け出せない苦しさ、雇用主たちの横暴な振る舞い、労働者階級を冷遇する社会構造、それでもなんとか生きていく人間の逞しさや、恋愛をする優しさは生きていく上で必要なものを教えられます。
とにかく人間は弱くもあり、タフでもあります。宿がなくても不法にビルに居住して凌いだり、その場所で電気やガスのユティリティがないと勝手に使えるにしたりと、とにかく逞しいのです。ロバート・カーライル演じた主人公と彼女との引越しもタダで仲間が手伝ったりと人情的な描写も良いてすね。
ケン・ローチ監督らしく弱者の立場的視点から制作された作品で味があると思います。この監督さんの作品は必ずしもハッピーエンドばかりではありません。ただ本作は弱者側が救われるラストであり、溜飲が下がる作品であったと思いますね。
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