もち

キングダム・オブ・ヘブン ディレクターズ・カットのもちのレビュー・感想・評価

3.0
3時間超えの超大作。
サラディン率いるイスラム勢力にエルサレムを奪われ第三回十字軍のきっかけともなった「ヒッティーンの戦い」とそこに至るまでを、脚色を混えながら描いている。
こうして大スケールで映像化されたものを見ると当時をイメージしやすく、それだけでも観た価値があったと思った。
三つの宗教の聖地が重なり、争いの絶えないエルサレム。凄まじい戦闘があったこの作品の後も第三回十字軍とイスラム勢力はまた激しく戦い、彼の地での争いは1000年近い時を経た現在も、進行形で続いている。
エルサレムの価値とは何なのか。作中で「無であり、全てだ」とサラディンは答えるが、言い得て妙というか、まさにそういうことなのだろうなと思う。

何しろ長く戦闘に至るまでが地味ではあるので、歴史に興味のない方にはおすすめしづらいが、社会情勢的に今こそ観てほしい作品だ。
リドリー・スコット監督は「ナポレオン」の公開を12月に控えており、そちらも楽しみ。
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