KOTAYOSHIDA

奈落のマイホームのKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)
3.2
韓国産ディザスターパニック、というかコメディ。コメディ?コメディでは無いんだけど結果的にコメディになってしまっているという不思議過ぎる作品。韓国映画的なシリアスな骨太さを期待して観ると盛大に肩透かしを食らうのでかなり注意。

本作で扱われているマイホームが奈落に落ちる原因となっている「シンクホール」問題、いわゆる急に地面にデカい穴が開くあの現象であるが、調べた所近年韓国でかなり急増して問題になっている模様。勿論本作のように500mの超ド級デカ穴が空くことはないのだが、車が落ちてしまうくらいの穴が空くことはあるらしい。原因としては地下の水道管の老朽化が多いとのこと。水道管が老朽化し、水が漏れてしまい地盤が緩くなってしまう、それが何かのキッカケで急に地面に穴が空くことに繋がるんだとか。韓国は冬がとにかく寒いので温かくなって地下の氷が解け始める頃が危ないらしい。

そんなシンクホールに念願のマイホームが丸ごと落ちてしまうことでテンヤワンヤになる本作。とんでもないことになるんだけど、やけにシリアスさが無い。いやめちゃくちゃ荒唐無稽な事が起こってるのでシリアスさもクソも無いっちゃ無いのだけど、それにしてもリアリティーラインがめちゃくちゃ過ぎるんですよ。完全にグリーンバックでやってる合成感は1000歩譲って飲み込むとして流石にこれはどうなのかという要素が多すぎた。特に救助の為に集まった面々、出す必要あったんかってくらい何もしてなかったな...。一番謎だったのはクライマックスの「水圧とかって知ってる?」というシーンですが、もうここのタイミングでは既にリアリティーラインを諦めているので、まぁそんな感じだよな...という謎の感情に包まれていましたね...。

建付けが社会派なテーマだけあってどっちつかずな感じは否めませんでしたが、シチュエーションとしては確かに観たことないディザスターパニック作品でしたので、そういう意味ではおススメです!
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