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レフト ー恐怖物件ーのHALのレビュー・感想・評価

レフト ー恐怖物件ー(2020年製作の映画)
3.2
あまりにもスコアが低かったお陰で、意外にも楽しめてしまった。駄作だらけのホラー作品の中では秀逸なほうではないでしょうか?期待しなさすぎて評価上がってるだけかな笑

確かにストーリーとしてはありがちというか、着地点も見えてしまう残念さはあるけど、割とそこはどうでも良くなるほど、引き込まれるものがあった。

この映画の良いところは全て、原作の良さなんだろうな、とは思う。(原作を知らないので勝手な想像だけど)台詞回しと人物の作り込みが大変良かった。登場人物全員が、ちゃんと人間らしい。あとホラーにありがちな、アホみたいなミスはほとんどしない。(最後は寝ない努力をしてほしかったけど。笑)

人物像については妻が一番良くて、若き良きパートナーとしての愛らしさもある一面、夫の優位に立ちたいプライドを捨てきれず、本性は非常に自己中心的な人間なのだけど優しく振る舞うことを知っている人物を描いていて引き込まれた。見てるこちら側も彼女に対する気持ちがブレる。だからこそ私達は、「毒になる関係」に留まりがちなんだよね。良い面があって、それが本当のその人なんだと思ってしまうから。

まさに本作の焦点はそこにあって、家は関係がない。ダサい副題をつける意味が全くない。
毒になる関係性がもたらす悲劇、共に人生を歩む人の本性。
だからラストにセオが本当の意味で、今ある関係から(原題の通り)「離れなくてはいけなかった」ことが、ホラーなんだよね。

なのでホラーというより人間ドラマで、もう少し見ていたかったくらい。冷たさが宿る映像も好みだった。

原作はめちゃくちゃ読ませるんだろうなと。ちょっと勿体なさが残る映像化ではあったけど、個人的には好みでした。

久々レビューを書ききったぞ。
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