このレビューはネタバレを含みます
【あとで書く】
「私のどこが、ダメですか?」というキャッチコピーが表象するのは、わたしたちが悪徳とし、時代とともに排除してきた「したたかさ」だ。
本作のヒロイン・アーヤについて語る前に、ジブリ作品のヒロインであり10歳のヒロインである
本作の主人公・アーヤは、「こどもの家」では様々な顔を使い分けて大人たちを懐柔し、明らかな敵意を見せてくる魔女の家でさえも、最後には女王になってしまう。要は、世渡りが上手いのである。
これは、『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋とは対象的なキャラクターである。千尋は、現代を生きる等身大の少女として描かれており、その不器用さや無愛想さに多くの人々が自分を重ね、その奮闘する姿に感動した。
宮崎駿は本作の企画意図として、「今の時代の子どもたちにはしたたかさが必要」ということを言っており、本作の主人公・アーヤは、そんな「したたかさ」を体現したキャラクターになっている。『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋は、現代を生きる等身大の少女であり、アーヤとは対象的なキャラクターだ。