ゆずきよ

最高の人生の見つけ方のゆずきよのレビュー・感想・評価

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)
4.5
ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンという名優がタッグを組んだ人生を見つめ直す一作。
実は2度目の鑑賞。

物語は、知識の豊富な家族想いの整備工であるモーガン・フリーマンと、資金の豊富な口の悪いやり手経営者であるジャック・ニコルソンが病室で同部屋になった所から始まる。
二人共、重病により余命も少ない。
険悪とまでいかないが、あまりにも歩んできた人生が違い過ぎて合わない二人。
それでも二人でいる時間は長いので、徐々に打ち解けていき、やがて二人はこのまま人生を終える事に抵抗を覚え旅に出る。
キーとなるのはやりたい事リスト。
そのリストに書き出したことを叶えるべく、二人は行動するのだ。
道中は様々な経験をして、トラブルにも見舞われながら、わかりきった結末に向けて物語は進んで行く。
その末に二人が感じた事は?というお話。

この映画の好きな所はいくつかあります。
例えば、名優二人による軽快な掛け合い、一度は見たい世界の絶景、心に残る名台詞の数々、完全な善人でも無ければ悪人でも無い人間臭い登場人物、残された時間により感じる人生の命題など。
ただその中でも私がこの映画の群を抜いて好きな所は、いくつであろうとどんな状況であろうと人は夢を持てるし友を作れるという事。
どちらかと言えば、そういうテーマを嫌悪する嫌な性格をしているのだけれど、この映画に関してはそこに嫌味が無い。

前回観た時は10代でした。
それから環境の変化とか、純粋に歳を重ねた事もあり、感じ方が大きく変わりました。
前は単純に、死への恐怖やそれに抗う物語として捉えていた側面が強く、そこからより深く本人達が死を受容している所まで考えが及ばなかったと思います。
やっぱり死ぬ事は怖いし、死にたくは無い。
私はどちらかと言えば醜く抗いたいとは思っているけれど、その瞬間にどう終わりたいのか。それを考える時間があるのは、幸せな事なのかも知れません。
ゆずきよ

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