らすかる

最高の人生の見つけ方のらすかるのレビュー・感想・評価

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)
4.5
・残り時間が明確になると行動への恐怖が減る
・他者に喜びをもたらす
・世界一の美女は身近にいる

名前を知っていた名作。
親がガンになったことで見る気になった。
キュブラーロスの「死の受容過程」について思い出すことができた。
幸い自分の親はそこまで深刻ではないが、近いうちにそういう心境になることは想像ができるので、事前に思い起こせてよかった。

気が付けば45年、という言葉が丁度父が話していたことに近く驚いた。
45年もあったら何かできるやろ、45年も自分の生活振り返ること無かったんか、とか思ってたけど、案外そうなるものなのか。
子どもが出来て、自分の人生よりも優先するものが現れると、人生の時間は本当に早く過ぎていくらしい。
20代の自分には想像しがたいが、そういうものだと受け入れようと思った。

本作品はとても軽快で、時にシビアなムードも入るけど終始穏やかな雰囲気があり、余計なハラハラ感が無く落ち着いて観れるので良かった。

どこの国でも、という一般化が通用しないのは分かるが、敢えて言うとやはり男性は自分の感情を過度に圧し殺して、回りからの援助に拒否的になり、自分勝手に生きようとする一方で急に寂しさに苛まれる、というパターンが大枠では当てはまるのかなと思った。
年取った人間もまあこんなもんか、と思えると親との関わり方も少し気楽になれるなと思いました。


印象に残ったのは2点。
1つ目が、エジプトのシーン。
死んだ時に問われる2つの質問。
「自分の人生に喜びを見出だしたか」と
「他人の人生に喜びをもたらしたか」。

これは非常に刺さりました。
問1は○だけど問2は、、となる気持ち、大変よく分かります。
自分が幸せになることと、他者に幸せをもたらすこと。
この2点がセットになって人生が完了すること。
純粋に他者のためを思って何かをする。
そんな機会を増やしていきたいと思います。

2つ目が、世界一の美女~のくだり。
なるほど、ええなぁって感じでした。
当然でありながら忘れていたこと。
世界一とは、主観的な判断で決定されること。
自分にとっての世界一の美女とは、近くにいる人のことだ。
そう心から思える日が来たらいいなと思います。
らすかる

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