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任侠清水港のmitakosamaのレビュー・感想・評価

任侠清水港(1957年製作の映画)
3.4
スカパーにて。東映オールスター時代劇の1本で清水次郎長を扱った作品。

清水次郎長が片岡千恵蔵
大前田英五郎が市川右太衛門
森の石松が中村錦之助
この3人がメイン級。
さらに
追分の三五郎が大川橋蔵
そして対立する黒駒の勝蔵が月形龍之介
他にも東野英治郎や進藤英太郎などオールスターに恥じぬキャスティング。

冒頭、子分である石松の敵討ちの加勢で殴り込みに参加する次郎長。
凶状旅の途中、世話になった大友柳太朗が殺され、これまた敵討ち。

対立する黒駒の勝蔵も我慢ならんと果たし合いに向かうが大前田英五郎に諭され、次郎長が非暴力主義になっちゃう。
斬った張ったを卒業し、野良仕事に座禅の日々。ガンジーかよ。

でも次郎長の刀を捨てる為に金比羅山に納めに行った石松が殺されちゃう。
コレには次郎長も非暴力主義撤回宣言!やっぱり殴り込みでカタをつけちゃう。

うーん。如何にして次郎長が非暴力主義に変わったかを書く映画だった筈だが…やっぱり映画はバイオレンスのクライマックスで終わる訳ね。

三大スターである千恵蔵は安&泰。喜久蔵のモノマネそっくり。しかし劇中では次郎長が単純な癇癪親父にも見える。カンタンに暴力主義を辞めたり戻ったりしたらねー。
逆に案外美味しい役なのが歌右衛門。出番は少ないが要所要所で良い所を持って行く。

そして影の主役、錦之助の初々しいことよ。後の厳つさは一切無い爽やか股旅ボウイに萌える。しかも碧眼なのがまた萌える。メイン級の扱いなので最後のチャンバラは斬られても斬られてもなかなか死なねぇ。

当時の大御所である千恵蔵・歌右衛門に次世代スタアだった錦之助、橋蔵・千代之介らとの序列も興味深い。
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