かなみ

青春の殺人者のかなみのネタバレレビュー・内容・結末

青春の殺人者(1976年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

親離れ、そして女からも逃げても、男は結局自分の行く場所を知らないまま。希望も未来も与えられなかった男のカタルシス 大切なモンは全部過去にしか無かった。
どうしようも無いほどの悲劇、両親の殺人は気持ちの悪いくらい家庭的で自分の生活と隣り合わせの場所で起こる。走馬灯のような過去の濁流のなかでありありと母親の死体が、鮮烈にそこにある。誰だって両親の思い描く理想を語られ腹の底が冷えたような気持ちになったことがあるはず、その時、痛いと叫び声が聞こえてきて自分の振り下ろしたナイフの重みを知ったのならば親の文言の呪いのような息苦しさに気づくのかもしれない。
馬鹿なもんだぜ、馬鹿な女に引っかかってさ、犯罪なんかしちゃったらさ、もうどうしようもないんだぜ。そんな青春。ずっと過去に引きずられてバカみたいだ。
かなみ

かなみ