レク

風が吹けばのレクのレビュー・感想・評価

風が吹けば(2021年製作の映画)
3.2
空港の監査員、滑走路を横断し水を売る少年、開港で国の存在証明をしたい国民。
美しい眺望とは裏腹に今現在も緊迫した状態にあるナゴルノ・カラバフ自治州を淡々と捉える。
見上げる空を自由の暗喩とし、飛び立てる未来に僅かな希望の光を灯す。

空港職員と少年、滑走路とそれを囲む自然、そして閉塞的な国の現状を通して見えてくる"自由"と"犠牲"。
第三者視点から当事者視点へと切り替わるこの映画は政治的でも啓発的でもなく"希望"、つまりは願いが込められたものだと思う。
故に会話によってでしか国の情勢が明かされない。

京都フィルメックス2021にて。
レク

レク