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BEGINNING/ビギニングのkyokoのレビュー・感想・評価

BEGINNING/ビギニング(2020年製作の映画)
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固定カメラによる長回しといい、『ジャンヌ・ディエルマン』の芋むきを彷彿とさせるシーンといい、これはやはりアケルマンに対するオマージュ作品なのかしら。
アケルマンをさらに暗くした感じで、4:3の画面が固定される息苦しさと尋常じゃない長回しに、つねに我慢比べをさせられている気分になった。
「死んだふり」がまさかあんなに続くとは…

多数派のジョージア正教会に対して、少数派の「エホバの証人」
その教会に突如火炎瓶が投げ入れられたことから始まる、指導者の妻・ヤナにふりかかる悲劇は、あまりにも残酷でとうてい神様がいるとは思えない。あの無音の場面は地獄過ぎた。
それとも、男に従わざるを得ない女にとって、これも神から与えられた試練だというのか。

彼女の行動は神への復讐のようにも思えたけれど、冒頭の教訓や寓話的なラストを考えると、教えに対する純粋な気持ち?にも思えたりもして…つくづく宗教ものの難しさを実感。
そして、同じ女として母として、「面白い」と表現してよいのか分からず、ノースコア。
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