とりん

GAGARINE/ガガーリンのとりんのレビュー・感想・評価

GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)
3.2
2023年51本目

思ってたのとは少し違う感じだったかな。
ガガーリンといえば人生初の宇宙飛行士の名前であるが、本作はそれと直接的な繋がりはなく、フランスにあるガガーリン団地を舞台とした話。1960年代にそのガガーリンをなぞらえて作られたのかはわからないが、年代による老朽化により取り壊しとなった実際にあった団地である。
取り壊しが決まったことにより住民はみな立ち退きを余儀なくされたが、ユーリだけは作業員の目を盗みながらそこに残り続けた。実際にはもう一人いたけれど。

ユーリ自身も宇宙飛行士に憧れがあったのだろう。動画を見ながら宇宙ステーションでやってたことに近いことを実践して自給自足の生活をしたりしてたし、それに近しいセリフもある。
全体の雰囲気としては好きな方だけれど、背景などが映画からは少し読みづらい。ガガーリン団地のことや老朽化による立ち退きやキャンプ地を転々とする生活をせざるを得なかったフランスの裏側のような話を知っているとなお本作への理解が深まるような気がする。知らなくてもその一端を感じ取ることができる。

ストーリー性はそこまであるわけでもなく、特に捻った感じもない。終盤は宇宙に行ったような感じも織り交ぜたり、少し構成や見せ方にこだわりも感じたが、イマイチ伝わってこなかった。ユーリの宇宙飛行士の格好も時折出てくるが、何を暗示しているのだろう。
実際の映像も差し込むことで、事実に基づく話であることがリアリティを持ってわかる。
とりん

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