おもち

旅立つ息子へのおもちのレビュー・感想・評価

旅立つ息子へ(2020年製作の映画)
3.6
 自閉症と自立がテーマの物語。シャイ・アヴィヴィ主演。
 チャップリンが大好きな自閉症の息子と、彼と寝食をともにする主人公。そんな仲良し親子だったが、別居中の妻の提案により全寮制の施設に入れさせられそうになる。息子も猛反発し、元住んでいた家にも帰れなくなった二人は、逃避行の旅を決行する。

 テイストとしては同じくイスラエル映画の「靴ひも」に似てる。今作は息子視点ではなく父親視点で描かれてるのがポイント。子供のために仕事まで捨て献身的にお世話をしたりと子離れ出来ない父親の心情がよく出てた。紹介では涙涙と書かれてたけど、過度な演出がなくありのまま素朴に撮られていてドキュメンタリーチックだった。心温まるけど感涙モノとはちょっと違うかなという感じ、人物の背景なんかもかなりさっくりとしていて感情移入はあまり出来なかったかな。
 自動ドアが怖い息子のために、ドアの横に「開くボタン」を描いてあげるシーンが印象的。あとに同じくだりが再現されてて思わずほっこり。

 上映時間は短めだけど、息子と父親それぞれの心境の変化、親子の愛情などリアリティありハートフルありな作品だった。オススメッ!
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