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ナディア、バタフライ
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『ナディア、バタフライ』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

4.2
まさに「今」見るべき映画!

東京2020オリンピック。今大会を最後に引退を決意したカナダ代表の競泳選手ナディア。最後のレースを終え、オリンピックで沸く東京を舞台に、これからの人生に悩む彼女の3日間を描く。主演はなんと本物の競泳選手。しかも今日19時25分からの女子100mバタフライにカナダ代表として出場します!!

監督インタビューによると、監督自身19歳まで水泳選手だったみたい。そして脚本コンサルタントとして参加してもらったカトリーヌサバール(2012年ロンドンと2016年リオに出場)と深い部分まで理解を深めていく中で、主演に抜擢するに至ったようです。

だからガチ選手監修による徹底的なリアリティの追求がまず見どころ。競泳シーンはモントリオールのオリンピックプールで撮影し、撮影時にまだ完成していなかった東京オリンピックプールの3Dグラフィックをモデルにスタンドを再現している。建設中のオリンピック村でも2019年10月に撮影をしていたらしい。

開始20分の競泳シーンが素晴らしすぎて涙出た。個人バタフライでメダルを逃したナディアが他の3人の選手とともにメドレーリレーに挑む。日本語のアナウンスが流れるなか、手持ちカメラでナディアを背後から追随する臨場感。才能がありながらも引退を前に個人競技で結果を残すことのできなかった葛藤を心の中で消化できず引きずりながらも、時間も他人も競技もそんな自分を待ってはくれない。

他の3人の選手含めて盛り上がっている周囲の全てから断絶し置き去りにされてしまった彼女の心をカメラが切り取り、喧騒が周囲に馴染めない自分と必死に馴染もうとする自分を強調する。セリフには起こさずに、驚異的な長回しによって、積み上げてきたもの、失ってしまうもの、自分の存在価値・理由、未来への不安等々に対するナディアの葛藤を洪水の如く溢れ出させてくる主観化、そして観客との同化演出が非常に巧みで、それを受けて、声を張り上げて最終泳者を応援するに至るナディアの姿に本当に涙が出た。ここがクライマックスかと思ったけど、まだ20分というね😂むしろ本編はこのあと。

オリンピックが終われば引退し、医者を志すために学生に戻る。他のみんなには四年後がある。でも引退を決意した自分はここで終わり。だから競泳のために犠牲にしてきた自分を取り戻すリハビリのため、化粧をして東京の街で男とMDMAキメてウェーイして遊び、必死にこれからを楽しむための一歩を踏み出そうとするけれど、ずっと何かが付き纏ってくる…。

彼女の競技人生への未練を象徴するものとしてミライトワ(のパチモノ、ときどきソメイティ…のパチモノ)が何度も登場し、窓越しに車の中から見る「未来」から顔を下ろせばミライトワ。プールしか見てこなかった自分が世界を知るために東京の街をひとり歩く中でも、惹かれてしまうのはミライトワ。抑え込めずに検閲を通り越して表出してくる潜在意識とそれを抑圧する意識的な行為。そして同様の意図を託した幻想的な水の扱い方。電車が通り過ぎる音すらもこの心的葛藤を表現し、変わる自分を拒否するかのように何度も嘔吐する。

そしてそんなクロエジャオ『ザ・ライダー』のような葛藤にとどまらず、孤独もまた重要な要素として登場する。水泳選手(アスリート)は利己的だと何度も主張するナディアは、その利己的なアスリートの世界しか知らないゆえに他者との関係性に懐疑的な一面を持っていることが次第にわかってくる。全てを賭けててきた競泳を離れ自分とは歳の離れた者たちしかいない新しい環境に身を置くことは、孤独になることでもある。ただ彼女は、利己的ゆえに自身に向けられる真っ直ぐな愛情の存在に気づく。自分がこれまでの人生で積み上げてきたものは決してなくなりはしない。それは競技の技術・成績に限った話ではない。利己的な「個人」選手だった彼女が、これから待ち受ける彼女自身の人生という競技を「団体」選手として戦おうとする前向きな決意と心的変容にグッときた。

作中で描かれるような東京2020は開かれなかったのは本当に悲しい…。どーでも良いんだけど、ミライトワとソメイティが絶妙に気持ち悪いデザインで出てくるたびに笑ってしまった🤣ロゴもこの時まだ決まってないからテキトーデザインだし!それと乱行パーティ直後に何食わぬ顔でインタビューに答える選手たちも何か妙なリアリティが😅ちなみに監督の次作はフォークホラーだそうです。フロイト的な表現がうまいからホラーとめちゃくちゃ合う監督だと思う!楽しみ👍

R3.7.25 10:55追記
カトリーヌサバール(Kサバード)選手準決勝敗退でした😭
偶然が生み出したもう一つの東京オリンピック2020。もし、コロナ禍が起きなかったら。観客がいて、誰もマスクをつけていないオリンピック。オリンピックをやっている今だから体験できるシュールさ。MUBIで鑑賞。

ここで描かれるオリンピックはコロナ禍の影響で1年延期、無観客で行われることとなった実際のオリンピックが行われている現時点から観ると、とても不思議でシュールな光景となっています。もちろん、本作はそんな意図で作ったわけではないでしょう。だから、これは本作の制作時期とのギャップから生まれが偶然。

本作は主人公のナディアの東京オリンピックでの最終競技からカナダへと帰るまでの短い期間の心の揺れを描いた作品です。ナディアを演じるカトリーヌ・サヴァールは実際のオリンピアンで銅メダリスト。だから、本作品で見せるバタフライはガチ。演技では出せない迫力がある故に、本作のシュールさは際立ってきます。

競技が終わってから選手村で打ち上げ、アフターパーティーでのハメ外し。ああ、本当だったらこんな感じだったんだろうな。『たけのこの山』やカルビーの『ポテトチップス』を頬張る選手たち。おそらく描こうとしているテーマやストーリーは全く別のところにあると思うのですが、今実際にオリンピックが開催している現在とのギャップがあまりにも大きくて、本作における「あったはずの東京オリンピック2020」がまぶしすぎるんですよ。
"アスリートは自己本位"

"野球の○○、柔道の○○、バタフライのナディア"などと呼ばれ、いつもスポーツと結びつけて語られるアスリート達。

彼女達にも、1人の人としてのドラマが裏でずっとあるんだ、という当然なのに見落とされがちなことを再認識させる。

本物の選手達が演じているのが凄い!

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