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Summer of 85のsoftmachineのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.5
あまりの予告上映の多さに半ば屈服して観に行った。

ビーチで出会った二人の少年が互いに惹かれ、やがて永遠に別れるまでを描いた物語。
同性という部分を抜かせば、よくあるほろ苦い青春ラブストーリー。設定が85年ということで、8T'SのUKギターポップやファッションが懐かしく、眩しい気分になる映画。

アレックスを振り回すダヴィドが「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」と強引に誓わせるのだが、会って間もないのに速攻でそんな約束をさせることに驚く。結局私にはダヴィドがうっすらとしか解らなかった。原作読んだらわかるのかも。

アレックスは最後のモノローグで「彼に会って自分という人間を知った」と言っているが、ケイトが「彼の顔と肉体に惹かれたんだろうけど、中身はあなたの理想の投影」と教えてくれたのも重要なファクターのような。

恋愛は幻想と誰もがわかっているが、当事者になると我を忘れて相手にのめり込んでしまうもの。
彼の話を受け止めてあげたり、真実を教えてあげたりしたケイトは、幻想ではなくアレックス自身を好きになってくれたのだと思う。最後にキスをして去っていく姿を見て、ケイトを好きになればいいのにと思った。

映像的には少年たちの金髪碧眼や白い肌とブルーのグラデーションの海などとにかく美しい。

あと、フランスの墓がいろんな形で思い思いのメッセージが書かれてて楽しい。しかし一年後にきちんと作るとはいえ、多分土葬だろうにかなり適当な作りで驚いた。(最近は火葬も多いらしいけど)
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